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飲む量が加速度的に増えていった理由

20年以上続いた一人暮らしをやめて、家族と暮らすようになってから一年も経たないうちに依存症専門の精神病院に入院することになった。

一人暮らしのときは、いつでも好きなだけ飲むことができた。好きな時に好きなだけ飲むほうが大量に飲んでしまうような気がするけれど、実はそうでもない。

「隠れ飲みをするようになると危ない」

カウンセラーの言葉だ。

飲酒量を心配する家族がとにかく面倒だった。
私の家族は厳しく言うほうではなかった。「飲む量を減らしたら?」。その程度。それでもウザイ。言われなくても心配する目がウザイ。

だから、隠れ飲みをするようになった。
家事を始める前の景気付けに、部屋に隠しておいたウイスキーをひっかける。あと5分で夕食の準備を始める。一人暮らしのころは朝から飲めていたけれど、今は家族がみているから日中は我慢した。気持ちよく家事をこなしたい、だからもう一杯だけ飲んでからキッチンに向かおう。

そのもう一杯の量が、日に日に増えていった。

夕食の買い物に出かけても、怪しまれない時間に戻らないといけないから度数の高いものを買って一気に飲む。友人と飲んだ後も、家に帰ってから追加で飲むことはできないから帰り道で煽るように飲む。怪しまれない時間に帰るために、とにかく流し込む。

家族と暮らすようになってから一年と経たないうちに、大きなトラブルを3回起こしてしまう。そして入院。

環境に関係なく依存症にはなっていた

では、家族と暮らさなかったら依存症にならなかったか、と問われれば、否。遅かれ早かれなっていた。確実に。
なりやすい体質を持ち合わせ、なりやすい思考習慣を持っていたから、一人暮らしを続けていても依存症にはなっていた。時間をかけてゆっくりと。そして、もっとひどい結果になっていたかもしれない。

今の年齢で回復の道を歩めていることに感謝している。

入院させてくれた家族に、尽力してくださった医療関係の皆さまに、昔も今も変わらず仲良くしてくれる友人たちに、感謝しない日はない。ずっと支えられている。

健康で心穏やかな毎日を過ごせることに、心から感謝している。

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