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<パワートレーニングのお勉強>80日でCTL58→132(+75)で学んだCTLの本質と限界

こんばんは、美味しいもの大好きAnnaです!

無限に減量せねばとか言いつつ、富士ヒルが終わったから別にいいじゃーんと補給が捗って現状維持が精一杯です😂

さて、今回はロードバイクの強さの指標の一つ(と言われている)CTLについて書きたいと思います!

先に断っておくと、今回の記事は、末尾にリンクを貼った本達、The Cyclist's Training Bibleの著者Joeのブログ、適宜ネットで収集した情報+私の体感に基づいて書いてあります。
全員に当てはまる話ではないかもしれないのと、情報が不完全な可能性もありますが、ご容赦くださいm(_ _)m

CTLとは

CTLはChronic Training Loadの略で、日本語に訳すと長期トレーニング負荷のことを指します。

具体的には42日間に積み上げたTSS(Training Stress Scoreの略。強度と時間の両方に基づいて算出されるレーニング負荷の量を表す値)の加重平均を計算すると出てくる値 になります。

(計算するための公式などもありますが、通常パワーメーターとそれに対応したサイコンがあれば自動的に算出してくれるため割愛します。)

つまり、CTLは42日間という比較的長期間にわたって、どれくらいのトレーニング量をこなすことができたか、を表す数字になっています。

ここでミソなのが、どれくらいのトレーニングを積んだか、ではなく、こなすことができたか、を表しているという見方をすることです。これによって、CTLがたくさんトレーニングをできる体力があることを示す値、としても有効であると言えます。

逆に言えば、理論上はCTL向上を目指してトレーニングをすれば、自動的に体力が向上するということです。

これを裏付けるように、CTL= “fitness”(スタミナ)とJoe(2018)は表現していて、体力や回復力を表すと書いています。CTLが高ければ高いほど疲れる(TSSが高い)練習をしても回復するのが早いとされています。

目指せCTL100!?

目指せCTL100
自転車で強くなったと感じる壁はCTL100だと言われている。
でも、なかなかCTL100を達成することはできないのが現実。
いったいどうすれば、CTL100を達成できるのだろうか?

これは一例に過ぎないですが、ネットでパワーメーターを活用したトレーニングについて調べると、まず目につくのは、CTL100を目指せば強くなれるといった表現。

実際、私がCTL58まで落ち込んでいた、膝痛から復帰して再び自転車に乗り始めたすぐの頃は75kmでふらふらになっていました。しかも走行速度アリ並みで...

これは明らかに「強い」とは言えないですね。

CTL115まで上げた結果

じゃあ、CTLの向上だけを目指して、全て中程度の負荷までで長い時間走ることによってTSSを貯めてCTLを向上させたらどうなったのか。

CTL115もある=強い...はずなのに富士ヒルの試走をしたスバルライン(富士ヒル計測区間換算)を1時間35分くらいでしか走れないという事態が発生。

しかし、スバルラインまで自走で行っている上に、富士ヒル試走で「出し切った」後に富士あざみラインを完走し、自走で帰宅までしてしまうという体力バカっぷりを発揮。

まさしく、土井さん(2015)が指摘している通りの問題が発生したのです。

細かく考えると、ベース作りのトレーニングも2つに分かれると思う。スタミナ作りと、パワーの向上だ。スタミナとパワーの両方があってはじめて、FTPなどの長時間のパワーが向上する。

そう、スタミナばかりに気を取られて、パワーの向上に目を向けていないからスタミナはあってもタイムは伸びなかったのだ

Joe(2017)も同様に、スタミナ=CTLが高くてもパフォーマンスが向上するとは限らない、と言っていました。
(もっと早く知っていれば...😇)

CTL is not an expression of performance but rather a proxy for fitness. Performance and fitness aren’t the same things. You can be quite fit and yet perform poorly.

CTLだけでなく、ヒルクライム力向上に努めた結果

ショックを受けた私は、もっとTTするみたいに登りまくればタイムは向上するのではないか、と山に篭ります。

この時、まだCTLという指標しか知らないのと、お膝に不安があったこともあり、あまり踏みすぎたくなかったので、ひたすらちょいキツイゾーンで走り、スプリント的な強度(L5以上)まで上げることはありませんでした。

山籠りの結果、富士ヒル前、CTLは最大126まで上がり、何より「登る」ことに慣れました。

結果的に富士ヒル本番では試走より10分以上縮めることに成功。これは人生初ヒルクライムレースで雰囲気にいい意味で流されて本当の意味で「出し切る」ことを垣間見たことも関係あると思います。

しかし、富士ヒル=人生で初めてまともに走れたレースを終えて、私はまだまだレースで「強い」とは言えないと思い知ります。

そもそも「強い」とはなんなのか。

コーチもさらっと言っていますが、強さを測る指標は一つではありません。

さらに言えば、自分がどこをバトルフィールドに設定するのかによって強いか弱いかなんて一瞬でひっくり返ります。

クライマーにスプリントさせたら「弱い」ですし、4kmTT特化型選手に600kmブルベを走らせたら「弱い」でしょう。

じゃあ、ロードレースをフィールドに設定した場合、何が強さの指標になるのか。

当然、レースでの結果です。

じゃあ、グループライドでは?

最後まで余裕を持って楽しく走り切れることが指標になるでしょう。

最後に、ソロライドでは?

自分が定めた目標(平均時速、マイセグメントでのタイム、平均ケイデンス、目的地に着く、美味しいものを食べる、ダイエットするなどなど)をいかに達成するか、ではないでしょうか。

本当の意味で「強くなる」ためには

パワーメーターを導入して、数字の多さに圧倒され、オーバートレーニングに陥らないようにと大して勉強もせずにCTLだけを見続けた結果、

「強くなる」とは、いかに自分が定めた「強い自分像」に近づくか、だということを学びました。

ロードレースにおいて「強くなる」=レースで勝ちたければ、

FTPが大きければ勝負所まで脚を残しやすいから、勝負に加われる可能性が増す。FTPで勝負するんじゃなく、勝負までもっていくためには、FTPが大きいほうがいい、ということだ。
勝負どころで必要になるのは、必ず短時間・高強度のパワーだ。
(土井雪広. 土井雪広の世界で戦うためのロードバイク・トレーニング)

また、Joe(2010)も同様にロードレースの結果は中程度の強度で走り続ける中で複数回にわたって訪れる、非常に高強度の短期的な瞬間によって決まり、勝つためにはこれらの瞬間のためにトレーニングをしなければならないと言っています。

そして、これは富士ヒルでも感じたことです。

後ろについていればいい感じのペースの人につくために今この一瞬頑張らなければならない、みたいな瞬間が訪れた時に、その爆発力を持っていなかったことがレースの1分2分の差を産んだことが感じられて、悔しい思いをしました。

ロードレースで「強くなる」ためにはスプリント的な強度(L5以上)を鍛えることが必要だったのです。

CTLの本質と限界とは

実は冒頭でも述べている通り、CTLはスタミナを表す指標です。

それ以上でもそれ以下でもありません。

CTLだけを高めても、登坂力もスプリント力も平均速度も方向音痴も体重も改善しません。

改善するのは体力と回復力だけです。

もし、もともと他の要素が揃っていて、体力がないことのみによってそのパフォーマンスが制限されていたならば、CTLは非常に有効な指標となるでしょう。

そんな非常に稀な場合を除いて、もし自分が定めた「強い自分」に近づきたければ、CTLだけを見ていても意味はないでしょう。
必要なのは、何をしてCTLを高めたか、の練習の質だと思います(自戒をこめて)

それがペダリングスキルなのか、エアロフォームなのか、インターバルなのか、SSTなのか、LSDなのかそれ以外なのかは自分が何を目指すのかによって変わると思いますが、ここら辺はトレーニングのプロに任せたいと思います。

とはいえ、CTLを高めるためには自動的にある程度乗り込まなければならず、TSSを稼ぐためには強度が高い練習をするのが効率的なため、世の中の多くの人がCTLを高めることを目標にすることによってそれ以外の要素も自然と体得して強くなっている側面もあるのかなとも思いました。

まとめ

調べれば調べるほど、CTLは体力バカな私に非常にお得な指標だなとつくづく思いましたw
気ままにロングライドすればCTLがどんどん上がっていくという😅

富士ヒルも終わって、次の目標はとりあえずサイクルボールを無事に走り切ることなので、やっぱりとりあえずCTL向上に努めます()

CTL高めれば、いざトレーニングしたくなった時にいっぱいする体力があるってことだからいいかなと😂

あなたの目標はなんですか?



参照

The Cyclist's Training Bible 英語バージョン(2018年度版)

The Cyclist's Training Bible 日本語バージョン(2013年度版)←これは読んでないので参照していませんが、英語バージョンを読むのが大変な方向けにリンクを貼ります。

トレーニングバイブルの著者のブログの記事

ブエルタ・ア・エスパーニャに日本人初出場した土井さんの本


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