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四ツ葉荘 番外編 信濃と祈の怪奇譚~ポルターガイスト編

はじめに

こちらはシリーズ「四ツ葉荘」の登場人物が怖かったり不思議だったりするお話をいたしますわ。キャラクターについてはこちらを見てくださったほうが少しは理解できると思いますわ。


本文

「こんにちは~。四谷信濃です」

四ツ葉荘の「黄砂の間」。
住人:四谷信濃の配信が始まる。

「今日はゲストを読んでいま~す。どうぞ~」
「こんにちは。本町祈です」

今日のゲストは同じシェアハウスに住む本町祈。クールな雰囲気であまりしゃべらないが、馬や霊的なものに関してはよくしゃべる。

「祈が来たということは~?馬か怖い話だよね~。みんなわかってくれてうれしいです~今日は怖い話!」
(拍手をする)

「ねえ祈、今日はどんな話をしてくれるの?」

「ポルターガイスト」


祈の話 ポルターガイスト

これは、祈が5、6年前に体験したことらしい。
バイト先の話だ。

祈がバイトしていたところは町のはずれにある喫茶店である。
その喫茶店は、祈いわく、見えない「ナニカ」が通っているのだという。

最初に体験したのは、働き始めて3日目のこと。
整理していたはずの机や椅子が、勝手に移動していた。
店長は侵入者では?と疑った。
しかし、防犯カメラなどを見ても、何者かが侵入した痕跡はなかった。

次に体験したのはその2日後。
営業中に起こったのだ。
店内でくつろぐ客もいない中、テーブルの拭き掃除をしていた時。
カウンター席の椅子がひとりでに後ろに動いた。
まるで、誰かがそこに座るかのように。
しかし、誰もいない
だが、椅子は動いた。音もしっかりと聞いている。

そのとき祈は「ポルターガイスト現象」を思い出した。

その日のミーティングの時、祈は店長にポルターガイストのことを言った。
店長は不審に思ったのだろう、防犯カメラの映像を見にいった。

カメラはしっかりととらえていた。
誰もいないカウンター席で、誰も触れていないのに椅子がひとりでに動く瞬間を。
店長以下他の店員も、「おかしさ」に気づき始めた。

例えば、出勤時に物が倒れていること。
例えば、蛇口を使っていないのに突然水が流れること。
例えば、ロッカーの中身が全部出されていたこと。
例えば、突然空に浮くような感覚があったこと。

いずれも人間、否生き物が関与した痕跡はなかった。
今やポルターガイストを否定する者はいなかった。

そして、最も危惧していたことが起きた。

営業中の出来事だった。
突然客が宙に浮き、そのまま床にたたきつけられた

ついにポルターガイストが客に危害を加えるようになった。

祈はすぐに警察と消防を呼んだ。
被害者も一命をとりとめた。

警察の事情聴取が始まった。

程なくして、事故と断定された。
人為的な介入はなかったと判断されたからだ。

当事者もみな、超常現象だ、ポルターガイストだと証言した。





その後、店長は業務上過失致傷で逮捕され、今も服役中だ。


話が終わって

「うわぁ~…………」
「霊障とはいえ、客を生死のはざまに追いやったことに変わりはない」
「ねえ、祈。あの喫茶店、結局どうなったの?」
「取り壊された。事故物件だから、お祓いしてもらってる」
「あのさ……1つ気になったんだけど…………」
「何?」
「ポルターガイストって…祈が来る前からあったの?」
「あった…と思う。私、何か怪現象が起こるところで働いてみたかったから…あの喫茶店でバイトしたかった理由もそれ」
「祈……」
「信濃、締めないの?」
「あ、そうね。それでは、これにてお開きとさせていただきます。バイバ~イ!」
「怪現象には気を付けて」


あとがき

さて、本日は番外編を投稿させていただきましたが、いかがでしたか?
まだまだキャラがぶれたり口調があいまいになったりすることも多々ありますが、しっかり更新していきますわ!


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