見出し画像

金継ぎは楽しい

本格的な漆塗りを習い始めて3年程で、前回もお弁当箱を仕上げたという記事をアップしたわけですが

漆の扱いに少し慣れてきたら、金継ぎも出来る様になりました。

金継ぎとは、陶器などの割れ、欠け、ヒビなどを修復する日本の伝統的技法なのですが、実は全て漆を使うということをご存知ですか?

実際には漆を使わない簡易的な方法もあるようですが、本来、漆で接着、漆で埋める、漆で描くといった工程を辿り最後に金を蒔いて仕上げます。

金継ぎはちょっとしたブームになっているようですね。
金継ぎのセットがネットで買えたり、金継ぎ教室がいたるところで開催されたり、YouTubeで詳しく金継ぎのやり方が紹介されていたり、金継ぎの本もたくさん売られていたりと興味がある人にはずいぶんハードルが低くなっているんだなぁと思いました。

私の場合は、メインは漆塗りの師匠と親しくしている蒔絵師さんに聞いたりして、他にはYouTubeを参考にしたり、本も買いました。

↓ この本、とても分かりやすいです。 おすすめ!

それぞれの工程でのちょっとしたコツが丁寧に書かれていたり、イラストで分かりやすく説明されていたりと、とても親切。
揃えるべき道具なんかも写真で紹介されているので、参考になります。


私が普段つかっている金継ぎのための道具

ちなみに私が普段から金継ぎで使用する主な道具がこちら⤵です。

絶対これを使わなくちゃいけないということはないので参考まで

①ダイヤモンドヤスリ
 陶器の割れた部分をけずったり、漆の密着を良くするためヒビにわざと傷をつけたりするときに使う

②木べら
 漆をまぜたり、漆の錆を埋めるときに使う
 ※ホームセンターに売っているプラスチックへらとかでもいい

③筆
 漆を塗ったり、漆で線を描いたりするときに使う
 蒔絵専用の筆とか絵具の筆とかいろいろ用途によって使い分ける

④砥の粉
 水と生漆と混ぜて漆の錆(パテ)を作る

⑤小麦粉(強力粉)
 水と漆と混ぜて欠けを接着するための糊漆を作る
 小麦粉ではなく、米粉を使う場合もある

⑥生漆
 ④、⑤で使う

⑦弁柄漆 ⑧白漆
 金を蒔くときに使う漆
 場合によって使い分けしている

⑨本金粉
 金にも種類があるので、こちらは参考程度に

⑩真綿
 金を蒔くときに使う

写真以外のもので使っているのが、
⑪黒漆 ※下塗り、中塗り用
⑫テレピン油 ※漆を薄めたり、筆を洗ったり・・・
⑬菜種油 ※使った筆に油を付けて保管するため
⑭紙ペーパー ※どの工程でも、研ぎは必ずするので、工程に合わせたペーパーを使う
⑮薄いビニール手袋 ※作業するときに漆かぶれを防ぐため
 ※私は漆に免疫があるようなので、気をつけながら、ほぼ素手で行っています
⑯マスキングテープ ※欠片を接着した時に仮止めしておくため

と、このくらいの材料や道具を準備しています。


これから始めようと思う方は、一通りそろった『金継ぎセット(金継ぎキット)』が10,000円前後で販売されているようなので、一つ一つ揃えるより便利だと思います。


私が金継ぎしたお茶碗やお皿など

金継ぎといっても割れ、欠け、ヒビなど色々パターンがあり、それぞれに作業の内容も多少変わりますが、大まかな流れは同じです。

割れたお茶碗を接着して金継ぎしました
欠けた部分を成型して金継ぎしました
お皿のヒビ部分を金継ぎしました


金継ぎの魅力

金継ぎはお気に入りのお皿やお茶碗を割ってしまったとか欠けやヒビが入ってしまった悲しみや罪悪感といった負の気分を一掃してくれます。

金継ぎが美しいデザインとなることで、喜びと満足感が生まれ、本当に不思議なことに 以前よりも強い愛着が生まれます。

また一つ趣味が増えました(^o^)




この記事が参加している募集

#最近の学び

181,025件

#やってみた

36,591件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?