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さくらエフェメラル・序

三月の名残を惜しむように満開の桜。
さよならと言いたくないけれどいつか言わなければならない。
別れは終わりではなくまた新しいものを生み出す。
目に浮かぶ景色が多いほど心の振幅が激しくなるが、実感が伴わなければいつもと違う周りの雰囲気にただ戸惑うばかり、なぜそこまで悲嘆にくれているのか。
最後の日だとかいっているが、結局毎日何がしかの獲得と喪失を繰り返しているのではないか。
交叉した時間に何を感じるか。去来した時間の密度、交わした会話の断片、柔らかい日差しの中で咲いている桜は去年と同じようで全く同じではない。去年一緒に見た人とまたこうして桜を見るのは今年が最後であろう。

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