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消失と再生

風景はエフェメラルだが、思考もまたエフェメラルである。
古い思考が霧散し、新しい思考が生まれていく。しかし人は時に変わることを恐れる。それは古い思考の消滅が自分の拠るべき物の消滅、ひいては自分自身の消滅と結びつけるからであろう。
しかしエフェメラルといっても完全に失われるわけではない。時間もただリニアに進むのでなく螺旋状に進んでいくという要素もある。つまり同じようなところに戻ってくるが全く同じではない、そのズレこそがエフェメラルの際たるものである。機械的に再生されるわけではない。
思考もまた同じであり、新しい思考は古い思考と完全に断絶しているわけではなく、少し視点を変えて現れるものである。そのズレがだんだん大きくなることでまた新しい地点へと到達する。

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