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読書記録|となり町戦争/三崎亜記

この本は、近所の古本屋で見つけた。タイトルだけはなんとなく知っていて、なんでだろうと思ったら、随分前に映画化していたらしい。

ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報誌に発表される戦死者の数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた「僕」に、町役場から一通の任命書が届いた……。

あらすじ

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「僕」は結局、この戦争のはじまりもおわりも見ることはなく、意思とは関係なく戦争に巻き込まれ、意思とは関係なく戦争から解放された。

私もまた同じで、「僕」が敵の査察から逃げるシーンなんかでは緊迫感を感じたけれど、よく目をこらしても、戦争の姿を見ることはできなかった。

町役場サイドの説明は、言いたいことは分かったけれど、いやいや戦争までする……?という、「僕」と同じような疑問は拭えないままでヤキモキした。が、往々にして役所の説明とはそういうものかもしれないとも思った。的を射ないかんじ。

全体的に、なにかのメタファーというか、小説という形をとってなにかを訴えているような、でもそのなにかが見えそうで見えない、みたいな。そんなお話。考察合戦とかしたいタイプ。

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近所に住んでいる友人宅、歩いて10分くらいの距離なのだけれど市は違うので、友人はうちにきてこの本を見るたび「おっやるかァ〜!?」とファイティングポーズをしてくる。

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