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本屋大賞受賞作品『汝、星のごとく』

いつものオーディブルで
『汝、星のごとく』を聞き終えた。
登場人物のそれぞれの年齢季節の面から
物語が進んでいく。同じ時を過ごしているが
各自の視点からの景色で感情の揺れ動く様の表現が
どんどん世界に引き込まれていくようで
とても面白かった。

田舎の街の閉塞感の感じ、地方育ちの人なら
誰もが感じることかもしれない。
物語の舞台の島ほどではないけれど。
女性は、結婚したあと、大半は仕事を
やめて専業主婦となり、家族を支える。
誰からも感謝されず、労働の対価は支払われず、
旦那の付属物な扱いになると、権利を主張できず
依存するしか生きるすべがなく精神を病んでいく
主人公の母親みたいな人はたくさんいるのでは
ないだろうか?
昔の日本において、男尊女卑は当たり前だし、
まだ根強い価値観を持っている高齢の男性も
多い。特に与党政治家など。
最近になって、共働き世帯が増えたが
女性の権利、主張することはまだ消極的に感じるなと
この本を読み女性の生き方、権利について
考えを巡らせた。
お父さんの不倫相手の凛とした佇まいは
仕事を手にしてることで堂々としているように
自分で自立することの強さみたいなものを
感じた。
主人公の成長で大きく変わる瞬間が
覚悟を持った時。
覚悟を持って取り組んでいくことで
自然と凛とし佇まいや自立した女性になっていく様は
読んでいて清々しく感じられた。
年を重ねても覚悟が感じられず
現状に不満を抱きながら、過ごしている中で
自分の人生に覚悟を決める瞬間
人は、より自立し人生を切り開く力となると思う。

最後に、いろんな価値観の良さ、様々な人間の
弱さやずるさ、いろんな感情を経験した主人公たちの
見える景色に変化を感じる表現。
本屋大賞に選ばれる作品だと思う。

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