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だから愛されなくても当たり前だな、糞だな。

他人であることを忘れる、大好きが故に。
そんな存在だから、期待しすぎる。
勝手に裏切られたような気がして落ち込む。


わたしがクリープハイプで好きな曲に共通するのは、ざっくりいうと、"〜だと思っていたのに違った"っていう気持ち。

違うところに怒る不幸せ
違う気持ちを許す幸せ
あたしのこと全然見てないじゃん
もういいって不貞腐れてたけど
みてないのは ひょっとしたらひょっとした
でもあなたが笑ってたから
何も知らないわたしはただ笑ってた

一モノマネ

わたしとあなたでは見ている世界が違ったのねって、相手を信じすぎて期待しすぎて、勝手に裏切らたような気持ち。勝手に相手のことわかった気になってただけだったのかと失望、幻滅する気持ち。ついでに腹も立ってみたり。

蜂蜜みたいな味がするなんて
嘘ついて嘘ついて嘘ついてくれてありがとね
蜂蜜みたいな味がするなんて
嘘ついて嘘ついてくれた

一蜂蜜と風呂場


その気持ちの根底には、わたしはこんなにあなたのことを愛しているという気持ちがある。愛の大きさを天秤にかけては、自分の方が強いと気づいた瞬間に相手に愛されていないと感じ、モヤモヤする。嫌いにはならないけど、こんなにわたしはあなたのことが好きなのに、わたしがあなたを大切に思うほどあなたはわたしを大切にしていないのかと悲しくなる。 

こうやってエイトビートに乗ってしまう
ありきたりな感情が恥ずかしいんだよ

一手


"自分は愛されて当然だ"という面には絶対に出さないけど(出せないけれど)隠れた強い自己愛が、他人からの承認を得られないことを許さない。この自己愛は、自分が自分を認めてあげることとは違う。自分は自分を認められている場合と、認められない場合があると思うけど、ただ自分と同じぐらい強く、いや自分が思うよりも強く、他人に認めてほしいと思う。

誰かに頭を下げてまで
自分の価値を上げるなよ 

一バンド




おそらく、わたしが思う親密な人間関係のストレスというか、モヤモヤは絶対にこれであることは確か。

例えば、遊ぼうと誘ったらかなり先を提案された時、遊ぶ予定が立っても直前にやっぱり予定が入って無理になったと言われた時、わたしはあなたにとってその程度だったのか…と思って悲しくなる。でも、相手は本当に理由があってそのような提案しかできなかったのかもしれないし、相手は遊ぼうと言われてすぐに予定を立てることが愛情の深さだとは思っていないのかもしれない。相手が実際にどう思っているかは分からないけど、自分なら取る行動と、相手のとった行動を比べて評価することしかできない。

本当に見えてるならあたしには教えてよ
本当が見えてるならあたしには隠してよ

一手


また、すごく嬉しいことを伝えたのに返信が冷たかったり返信が返ってこなかった時、なんでそんな扱いするのかなって悲しくなる。でも、相手が冷たい時は大抵相手側に余裕がない時で、きっと自分も無意識のうちにそうなっているのだと思う。悪気があって冷たくしているわけではないのかもしれない。"寂しい構ってよ"じゃなくて、"頑張れ今は気長に待ってるね"って言えるようになりたい。


歌声 歌声 
でも君は泣いていたんだね
泣き声 泣き声 
僕は気づけなかった

一さよなら泣き声、おやすみ歌声 



すごくすごく些細なことだけど、こんなことで傷つく。でも誰も悪くない。本当に誰のせいでもない。だから苦しい。

今日はハズレ 今日もハズレ
そんな毎日でも
明日も進んでいかなきゃ行けないのか
大好きになる 大好きになる
今を大好きになる
催眠術なんてもう解いてよ

一陽




誰かを大切に思うということは、その人を無条件に信頼するということだと思う。というか信頼してしまう、信じさせて欲しい。同じようにわたしのことも信じて欲しい、絶対に裏切らないから。でも、信頼と期待は何が違うのだろう。相手を無条件に信じたからといって、相手の全てをわかったわけじゃないのに、相手が自分の思い通りに動くわけじゃないのにな。

嘘みたいな合鍵 本当の鍵穴
全部わかってたけど
何も知らなかった
クソみたいな合鍵 本当は節穴
全部わかってたけど
何もいらなかった

一陽



そして、自分が求める愛情の形が、相手にとってのそれと同じだとは限らない。それなのに自分のものさしで、"愛しているから〜する"が、相手にとっての"愛しているから…する"だと無意識的に思ってしまう。さらに、相手に対しての好きの大きさは、時期によって変わっていくけど、その変化するタイミングが、相手と同じなことなんてほとんどない。だから、その一瞬の愛の大きさを天秤にかける時点でそもそも比較するものを間違ってるのに。

だけど愛してたのは自分自身だけで馬鹿だな
だから愛されなくても当たり前だな糞だな

一バンド



こういう一言では表せないような気持ちを歌っているのはクリープハイプだけだと思う。(他のアーティストはよく分からないけどわたしが聞く限りは)この音楽が自分の気持ちに寄り添って、代弁してくれる。気持ちを宥めてくれる。いつもいつもやりきれない気持ちをクリープハイプに助けてもらっている。だからわたしはクリープハイプが好き。



2021.3.3


歌詞参考 プチリリ

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