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日印夫婦の子育て・妊娠前にしたこと

日印夫婦(日本人とインド人の夫婦)の私たちがはじめての子育てを経験して気づいたことや調べたことをまとめていきます。

私は日本人妻のはづきです。2021年1月に出産しました。妊娠前からいろいろな情報を調べていたのですが、病院選びや出生手続きなど迷うことも多かったです。しかも国際結婚ならではの事情もいくつかあることを知りました。この記事では私たちが経験したことをまとめて書いていこうと思います。妊娠出産を考えている方々や日本人・インド人のカップル、日印夫婦の方々の参考になれば幸いです。

▼自宅で撮影したマタニティフォト

前提


この記事に書いていることはあくまでも私たちが経験したことや調べたことです。皆さんにはうさんくさいデマ情報に騙されるのではなく正確な情報を知って欲しいので、ここには情報元もしっかりと書きます。ただし、情報は更新されていきますので、この記事の公開後に状況は変わっているかもしれません。ここに書かれた情報を鵜呑みにせず、必ずご自身で調べていただき、できるだけ正確な情報を得てください。よろしくお願いします。

私が妊娠前にしたこと


まず最初に言っておくと、ここに書くことは妊娠を成功するためのやり方ではありません。これをしたからといって妊娠するわけではありませんので、誤解のないように念のため先にお伝えしました。ここに書いているのは、妊娠前に私がしておいた準備です。例えば、検査やワクチン接種など。出産するまでに起きる可能性のあるトラブルを回避するために知っておいてよかったと思える知識です。妊娠を考えている方にはぜひ読んでもらいたいなと思います。

ウィメンズヘルスリテラシーの講座に参加


結婚してからすぐに私はインテグロ公式の月経カップアンバサダーになりました。月経カップについては別のnote記事にもまとめているので興味がある方はそちらをご覧ください。

月経(生理)について自分でもちゃんと勉強したかったのもあり、インテグロの方も参加されていたウィメンズヘルスリテラシー協会が主催する講座に私も参加することにしました。詳しくは協会のウェブサイトを確認してもらいたいのですが、簡単に言うと、この協会は産婦人科医の方々が中心になって作った団体です。世の中に拡散されるデマ情報に対して危機感を持ち、正しい医療情報を届けて一人一人のヘルスリテラシーを高めようという目的で活動されています。

全12回のヘルスリテラシー講座では各回にテーマがあり、例えば妊娠・出産、母乳・育児、月経随伴症状・更年期、性教育など、女性の体に関連のある話を産婦人科医の方が直接お話してくれます。日本は世界的にみて性教育が遅れている国で、学生時代に学校で教えてもらえる知識というのはかなり少なく偏りがあります。大人になって結婚し、妊娠を考え始めて調べてみて、初めて知る情報も多いのではないでしょうか。実際に、私もこの講座を受けて初めて知ることがたくさんありました。

特に妊娠や出産、母乳や育児については世の中に迷信やデマ情報がたくさんあふれていて、何が正しい情報なのか判断するのが非常に難しいとされます。SNSでたくさんのいいねがついていたり、バズって何万リツイートもされて拡散している情報であっても、それが正しいとは限りません。
ここで言う「正しい情報」とは、科学的根拠がある情報や、医学的なエビデンスがある信頼度の高い情報のことを指します。私のように専門的な知識を持っていない一般人からすると、何が正しくて何がデマなのか、見極めるのが難しいことが多いと思います。
私は妊娠前にこの講座を受けることができたので、座学で産婦人科医の方々の話を聞きました。本来はメディアで記事を書いている記者や編集者向けに開催されている講座だそうですが、一般人でも受講することができます。現在ではオンラインで講座を開催しているので、全国どこに住んでいても参加できます。有料ではありますが、座学のときよりもオンラインになって値段が安くなっており、そんなに高くはないと思います。ぜひチェックしてみてください。

妊娠前にした5つの準備

私はウィメンズヘルスリテラシーの講座で得た情報をもとに以下の5つの準備をしました。

私が妊娠前にした5つの準備

1.風疹ワクチンを打つ(抗体検査をする)
2.子宮頸ガン検診を受ける
3.ブライダルチェックを受ける
4.葉酸を飲む
5.歯医者に行く

以下は講座で教えていた産婦人科医の先生のツイートです。私は情報元としていつも参考にしています。

風疹(ふうしん)について

詳しくは厚生労働省のホームページで確認してください。風しんについては以下のように書かれています。

風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、先天性風しん症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。

私の年齢では風疹ワクチンを幼い頃に1回打っているのですが(自分の母子手帳で確認した)、2回打たないと抗体がつかないとされています。また、夫アンキットに聞くとインドでは風疹ワクチンを打たないらしく、風疹について聞いたことがないと話していました。なので、まずは東京都の区が無料でやっている風疹の抗体検査を夫婦で受けました。妊娠してから妊婦検診でも抗体検査をしますが、妊娠中はワクチン接種ができないため、気をつけて生活するしか方法がありません。妊娠前にワクチン接種をする方が確実です。
検査の結果、私もアンキットも風疹の抗体価が低いとのことで、二人とも風疹ワクチンを打ちました。結婚してすぐの2019年のことです。
そして、2020年に本格的に妊活を始めてから再び抗体検査を受けたところ(2回目は無料ではなく自費になる)、私の抗体価がまたしても低く、念のため3回目のワクチン接種をしました。(自費だと約12000円かかるので高いのですが…念のため)
しかし、妊娠してから妊婦検診で抗体検査をしたところ、3回もワクチン接種したのに抗体価が低いという結果が出て驚きました。体質によってはワクチン接種をしても抗体がつきにくい人もいるそうです。そういう人は少ないみたいですが、それでも妊娠前に夫婦でワクチン接種しておいてよかったと思っています。トラブルを回避するためにできる限りのことはしておきたいので。
風疹を広めないために男性にもワクチン接種が推奨されています。夫婦で風疹の抗体をチェックすることをおすすめします。

子宮頸がん検診について

詳しくは日本産科婦人科学会のホームページを確認してください。子宮頸がん検診については以下のように書かれています。

子宮の入り口付近の頸部をブラシなどで擦って細胞を集め、顕微鏡でがん細胞や前がん病変の細胞を見つける細胞診検査を行います。この検査を子宮頸がん検診と呼びます。出血などの症状がなくても、20歳を過ぎたら、2年に1回の子宮頸がんの検診を受けましょう。またHPVワクチンを接種した方も子宮頸がん検診をうけることが奨められています。

子宮頸がんについては色々と思うことがあるのですが、長くなりそうなので一言。妊娠を考えていても考えていなくても成人女性はみんな検査を受けて欲しいです。私は結婚前から毎年検査を受けていました。私が今までに住んでいた区では2年に一回必ず子宮頸がんの検診クーポンが送られてきましたが、それ以外にも自費で検査をしていました。住んでいる場所によって違いがあると思いますが、子宮頸がん検診の助成があるかどうか一度調べておくといいと思います。

コウノドリという漫画があり、ドラマ化や映画化もされている有名な作品です。この漫画には子宮頸がんについてのストーリーが描かれており、涙無しには読めない内容です。コウノドリは風疹についても描かれているので、妊娠を考えている人は読んでみることをおすすめします。ちょっと切ないストーリーが多いですが、現実に起こっている話でもあるので本当に考えさせられます。

ブライダルチェックについて

私は結婚前にブライダルチェックをしました。ブライダルチェックとは、簡単に言うと様々な性感染症の検査です。上記に書いた風疹や子宮頸がんも含まれます。性感染症とは、例えばクラミジアやカンジダ、梅毒、HIVなどですが、これらの性感染症を全てチェックできる検査を受けるとなると、結構なお値段(数万円)になります。メニューも価格も医療機関によって様々なので難しいところではありますが、気になる人はお医者さんに相談して受けておいた方がいいと思います。風疹や子宮頸がん検査と同じく妊娠してから妊婦検診でも検査がありますが、もし何かの感染症に感染してしまっている場合、妊娠前の方が治療しやすいと思います。

葉酸について

詳しくはアカチャンホンポの記事を参照してほしいのですが、葉酸は妊婦にとって必要な栄養素とされています。ここには以下のように書かれています。

葉酸はビタミンB群の一種で代謝に関係し、DNA・RNAやたんぱく質の生合成を促進する栄養素。細胞の生産や再生を助けて体の発育に役立ちます。細胞の分裂や成熟にも大きく関わるため、特に胎児にとっては重要な成分。妊娠前から十分に摂ることで、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができるとされています。また葉酸には赤血球の形成を助ける働きもあります。

この記事には1ヶ月以上前から葉酸を摂ることを推奨していますが、私はウィメンズヘルスリテラシーの講座で2ヶ月前からだと尚良いと聞いたので、妊娠の2ヶ月以上前から葉酸サプリを摂り始めました。
ネットで検索すると、妊娠に良いとうたっているサプリが葉酸以外にも色々と出てくると思いますが、科学的根拠があって推奨されているのは葉酸だけです。葉酸サプリ以外の怪しいサプリはやめておいた方がいいと思います。

歯医者について

私は結婚前から歯医者には定期的に検査とクリーニングに通っていたのですが、本格的に妊活を考え始めてからも行きました。妊娠すると麻酔を打てないので、歯科での治療がしにくくなります。必ず検診を受けて虫歯がある方は早めに治療しておいた方がいいと思います。
ちなみに、私が区役所からもらった妊婦検診のクーポンに歯科検診のクーポンも入っていましたが、これは診療のみが適用されて治療が発生した場合は自費で支払いが必要と書かれていました。なので、妊娠前に歯科検診を受けておいた方がいいかなと思います。(自治体によって制度に違いがあるかもしれませんが)

女性のキャリアと妊娠出産


私たちは幸運にも子どもを授かりたいと思ったタイミングで授かることができました。その要因を考えてみると、ストレスフリーの生活がよかったのではないかなと思っています。私は結婚する年に会社員を辞めて完全な専業主婦になり、自由に自分の時間を過ごすことができました。これは夫にも本当に感謝しています。俗に言う「人生の夏休み」を3年ほど過ごさせてもらいました。家事はしていましたが、それ以外の時間はほとんど自分の好きなことをしていました。例えば、ヨガやサーフフィットネス(サーフィンボードの上で行うフィットネス)などのジムに通ったり、自分の好きなヘアスタイルやネイルにしてみたり。ピンクの髪にしても誰にも何も言われず、むしろそのヘアスタイル良いねって言ってもらえて、会社員の時には人の目を気にして出来なかったことを思いっきりしていました。
自分と同じように好きなことを好きなときにできるという人は少ないと思います。逆に専業主婦だと不安になってしまう人もいるでしょう。私も会社員を辞めるときは不安でした。退職する時点で会社員としてのキャリアは断念することになると思ったからです。もちろんまた会社員として就職することもあるかもしれませんが、30代前半で離職してブランクが空いてしまった場合、一般的には再就職したら年収もポジションも下がる傾向にあると思います。今の私は会社員に戻ろうとか戻りたいとは1ミリも思わないのですが、退路を断つのはかなりの勇気が必要でした。特に私のように幼い頃からバリキャリに憧れてきた人にとっては、専業主婦になること自体、もともと頭になかったのです。でも人生とは不思議なもので、そんなこと以前は全く考えていなかったのに、結果的に思いもしない方向に進むこともあります。私の場合は会社員としての働き方に限界を感じていたのと、自分の性格ややりたいことを考えると会社員は向いてないのだろうなと薄々感じていたところはありました。でも仕事をすっぱり辞めて家庭に入るということは考えてなかったので、まさか自分がこういう選択をするとは予想外でした。
男性も女性も、20代・30代は仕事のキャリアと結婚妊娠出産について考える機会が多いと思います。私もずっと考えていましたし、そこで答えが見つからない、どうにもならないという状況にも何度もぶつかりました。特に女性にとっては出産のタイムリミットを強く意識してしまう人も多いと思います。20代後半の私はそうでした。30才までに結婚して〜32才までに第一子を出産して〜35才までに第二子を授かれたらいいな〜みたいな人生計画を考えていたこともありますが、そんな計画通りにいかないのが人生です。一番悩んだのは、当たり前なのですが結婚妊娠出産というのは一人ではできないということ。学業や仕事だったら今まで自分一人が努力すれば結果が出る可能性も高くなりました。でも結婚や妊娠出産というのは自分だけが努力したからといって結果が出るわけではありません。個人の努力でカバーできる範囲を超えているのです。実際に妊娠を考え始めるには、条件が整っていなければなりません。例えば、経済的に不安がない・パートナーと自分の気持ちにズレがない・心身ともに健康で妊娠しても問題ない、といった条件は必須です。どんなに自分が頑張っていたとしても、自分だけの努力ではこれらの条件を全て満たせるわけではありません。そして運やタイミングも大きく影響してきます。これを全て自分でコントロールしようとするのは無理があるのです。
私の場合は今考えると20代後半で焦りを感じていたので、夫と出会った当初にも強く結婚を意識しており、何度も「いつ結婚する予定?」と本人に直接聞いたりしていました。しかし、いろんなことがあって30才を超えたら「なるようになる」と思い始めて、流れに身を任せてみるかと考えたら、ふっきれたのか生きやすくなりました。
結婚後はすぐに妊娠出産のことは考えませんでした。おそらく以前の私のままだったら、結婚してすぐに妊活しようと考えたと思います。でも私はそういう気にならず、人生の夏休み期間は「いつか子どもを授かれたらいいな」くらいの気持ちで過ごしていました。いつまでに、とか期限も決めていませんでした。色々な新しいことに夢中になってやっていたら、こういうご時世になって外出しにくくなり、その後に夫と話してお互いの気持ちを共有したところ、妊活をすることになりました。きっと、このタイミングが私たち夫婦には最適だったんだろうなと思います。
結局何が言いたいかというと、女性のキャリアにとって結婚や妊娠出産というのは大きなイベントですが、自分だけでコントロールできるかというとそうではありません。結婚しないという選択肢も、妊娠出産しないという選択肢ももちろんありますが、結婚や妊娠出産を希望する人たちはそれと併せて自分のキャリアや人生設計を考えると思います。でも、自分が考えた計画通りにいくことって少ないんじゃないかなぁと思います。思っていたよりも結婚が早かった/遅かった、出産が早かった/遅かったというのもよくあります。計画通りにいかないからといって落胆するのではなく、そういうこともあるかと切り替えてストレスフリーに過ごしていれば、自分にとって良い方向に進んでいくのではないかと私は感じています。あまり頭ばかりで考え過ぎず、心身ともにリラックスして、時には人生の夏休みを思いっきり楽しんでみてはいかがでしょうか。今考えると私にとってのあの3年間は、人生の中でも本当に貴重な時間だったと思います。人生の夏休みをとるような、そんな余裕は金銭的にも時間的にもありませんって人もいるかと思いますが、それは本当でしょうか?生活のために仕事をしなければいけないという人も多いでしょうが、例えば長時間残業して自分の時間が少なくなってしまったり、職場の人間関係のトラブルに足を突っ込んで無駄に心をすり減らしてしまったりしていませんか?ストレスを溜めてせわしなく働き、預貯金を増やしたところで何か良いことがあるのでしょうか?将来の不安のためだけに働いて、心や身体を壊してしまっては本末転倒だと思います。長期間ストレス環境下にいて良いことは何もありません。自分自身の経験から言うと、ストレス環境にいる時には正常な思考はできず、常に心が波打っている状態なので落ち着いた判断がしにくいです。もしかしたら良い人に出会ったり、自分のステップアップになるようなチャンスもあったのに、逃してしまっているかもしれません。その当時は自分のキャリアのために最短距離を爆速で進んでいるんだと思っていたのに、後で考えてみるとしんどい状況で遠回りしながらジタバタしてたなぁと思います。だから結局は自分が心地よく過ごせる環境で、少しずつでも自分が楽しい・幸せだと感じる瞬間を増やしていくのが一番いいんじゃないかと今は思っています。だから、結婚や妊娠出産のことを考えて焦りを感じてしまっていても、いずれはきっとどこかで自分なりの結論が出ますから、難しいとは思いますが、ゆったりと構えて日々を楽しくすることを考えてみるのがいいかもしれません。

最後に

最後まで読んでくださってありがとうございました。女性のキャリアの話をすると、もっともっと長くなってしまうと思ったので今回はこの辺りにとどめました笑。きっと悩んでいる人も多いテーマではないかと思います。何か感じたことやご意見などがあればお気軽にコメントやメッセージくださいね。

妊娠出産をテーマにしたnoteは何本か記事を作成中です。この次は私が妊娠中にしたことをまとめる予定です。お楽しみに。

このnoteが参考になりますように。 記事のご意見やご感想などがあればぜひ教えてくださいね。