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日々、そこにいる。#推し短歌

Q:運営さん、夫は推しに入りますか?

アイドル、ミュージシャン、いろいろ推してきたけど。
わたしの場合、心の隙間を埋めてくれる、もしくは、埋めた気分にさせてくれるものが、推しという存在だった。夫と出会って結婚して、多くの人が言う、心の隙間なんてものは結局一生じぶんで抱えてかなきゃいけないんだよ、の意味がわかった気がした。埋まらない隙間を一緒にあたため癒してくれるひと。それはつまり、わたしにとって推しの最終形態なのかもね、と思ったりするのです。ソファで寝ているあなたへ。日々、そこにいる推しへ。

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ゆるふわなあなたになるの楽しみで黙って許してしまうお酒

ほろ酔いを待っている自分がいる

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うす闇のまつ毛は我の息に揺れ最前はもう売り切れました

ごめんね、世界、ここはわたしの席です

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楽しいは楽しい嫌いは嫌いの澄んだ目にいる私はこども

外側のおとななど簡単に剥がれ落ちてしまう

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石段をかけ降り一級品の笑み 汗散る、一生推さんと思ふ

日常の瞬間に、あふれる

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おもしろい人だと君は言うけれど My fav, 気づいてないよね寝癖

あなた以外に面白いと言われたことないんだけど

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愛情の「情」はたとえばチャーミングですませているあなたのげっぷ

げっぷもおならも変な癖もあなただからで許せるようになった

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ふたえはばせなかのほくろきずのあと誰も知らない君にも言わない

わたししかしらないでいたい

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貴重な時間を使ってここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。