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【おしっこトラブルを改善】猫に愛されるトイレの条件

こんにちは!犬猫の獣医師、あんじゅ(@vets_magazine)です。

  • うちの猫、よく膀胱炎を繰り返すのよね

  • 猫の粗相が酷くてしつけても無駄だった。どうすればいい?

という悩みに答えたいと思います。

猫はトイレへのこだわりが強い動物です。

トイレが気に入らないと、トイレ以外の場所での粗相が増えたり、オシッコを我慢することが増えるために尿路トラブルのリスクが上がります。

代表的なおしっこトラブル
尿路結石
特発性膀胱炎

これらの疾患を一度でも経験したことがある猫さんは、トイレを始めとする居住環境を整えてあげないと、何度も再発することがあります。

この記事では、猫たちが快適にトイレを利用してくれることを目標に、猫に好かれるトイレの特徴をお伝えしたいと思います。

猫のトイレいやいやサイン

うちの猫は粗相もしないし、トイレを我慢しているような様子もないし大丈夫!

と思われた方もいるかもしれませんが、実は猫の「トイレ気に入らないサイン」は多種多様です。

以下の行動は代表的なトイレいやいやサインです。

トイレいやいやサイン

  • トイレのふちに前足をかけて排泄する

  • 猫砂以外のものをかく(床とか壁とか空中とか)

  • 排泄後の砂隠し行動がない

思い当たる節がある人は、以下読み進めていただき、改善点を探ってみてください。

猫の理想のトイレ像とは?

そもそも猫たちが一番理想としているトイレとは、「野良猫さんのトイレ」です。

野良猫がどこでどのように用を足しているか、知っていますか?

そう、広い畑のど真ん中でじっくり用を足して、念入りに土をかけて隠して終了。

これが猫の理想の排泄行動です。

つまり、広くて砂がきれいな砂が大量にあって、開放的なトイレがお好みなのです。

さすがに家の中に砂場を用意するわけにはいきませんから、ポイントだけ押さえてなるべく理想のトイレに近づけるようにしてみましょう。

猫に好かれるトイレの条件

大きさ

トイレの大きさは重要です。

基本的に、トイレは大きければ大きいほどよいです。

なんせ理想は畑ですからね(笑)

猫がうろうろできて、排泄が終わったあとに四方八方から砂をかき集めてこれるような、十分な大きさが求められます。

目安として、猫の体の長さの1.5倍以上の大きさは必要です。

トイレのサイズに関する研究はいくつかありますが、2020年のJCVIM(日本獣医内科学アカデミー)の発表では、長さ40cm,50cm,60cmのトイレを比較した結果、50cmと60cmのトイレが猫に好まれることが分かっています。

猫の体格にもよりますが、できる限り大きいトイレ(可能ならば50cm以上)を用意してあげるとよいでしょう。

市販されているトイレのほとんどが、この基準を満たしていません。

一度ご自宅のトイレを測ってみてください。

そして、見落としがちなのが深さ。

十分な深さの猫砂を入れることが重要なのですが、そのためにはトイレ本体に深さが必要です。

リッチェルコロルのトイレはどれもシンプルで、猫が求める大きさと深さを実現しています。しかもとっても安いので数を揃えやすくておすすめです。

そして、個人的におすすめなのは衣装ケース。

大きさ十分ですし、深さもあるので砂がたくさん入れられます。

透明だから中身が見やすいのも利点です。

数も多ければ多いほどよいです。

ただ、際限なく増やすと家の中がトイレだらけになってしまいますから、目安としては「猫の数+1」を目安にしてください。

例えば猫3匹を飼っているご家庭なら、4つはトイレを設置していただきたいです。

これには2つの意味があります。

1つ目は、当たり前ですが、猫の数だけ排泄回数が増えるから

3匹いるのにトイレが2つしかなかったら、(かなり頻繁に掃除しない限り)汚くて猫が気に入ってくれません。

一番避けたい「おしっこの我慢」の原因になります。

2つ目は、猫の数だけお気に入りのトイレがあるから

「この場所のトイレがいい」とか、「このトイレは、嫌いな猫の臭いがするから嫌!」とか、猫にも色々こだわりがあるわけです。

猫の数が増えればそれだけこだわりの数も増えます。

猫がそれそれにお気に入りのトイレを見つけられるよう、数を増やしてあげましょう。

猫カバー

猫カバーの有無に関しては、あったほうがいい説と無いほうがいい説がありましたが、最新の研究によると、「どちらかというとあったほうが猫が気に入ってくれる」というデータが出ています。

私が数年前に受けたセミナーでは、確か「無いほうがいい」という結論だったと思うので、「結局どっちなんだーい!」と困惑していますが、普段飼い主さんにお話を聞いていると、

  • カバーがあっても全然問題ない猫もいれば

  • カバーがあってもなくても気にしない猫もいれば

  • カバーがあると入らない猫もいる

という感じで、猫次第で反応が違う印象です。

どっちも試してみて、猫が気に入ったほうを採用するのがおすすめです!(カバーは後から取り外すことができますからね。)

猫砂

猫砂には紙、鉱物系、シリカゲル、ペレットetc.色々なタイプの猫砂があります。

この中で、鉱物系の猫砂が猫に人気であることが分かっています。(以下の動画内で実験が紹介されています↓)

また、尿が猫砂を通り抜けて下のトイレシーツに落ちるようなタイプ(いわゆるシステムトイレ)はおすすめしません。猫には不人気です。

自然の砂のように、オシッコが固まるタイプのものがいいでしょう。

粒の大きさに関しては、なるべく細かくて砂に近いものが好まれます。

細かい猫砂の欠点は、猫が砂をかいたときにホコリが舞いやすいことです。それを猫が吸い込むのはあまりよくありません。

以下の商品は、他の猫砂より少し高価ではありますが、粒感がとっても小さいのにホコリが全然立たない、とっても優れた猫砂です。

固まる速度もとても早く、5秒以内にカチカチになります。

LIONから出ている以下の鉱物系の猫砂は、上記の商品よりは粒が大きめですが、消臭力が抜群なのが特徴。

猫砂は基本的に鉱物系、粒が小さくて、固まるタイプのものがおすすめ!

また、毎月1回は猫砂を総取り替えし、排泄後はなるべく早く片付けること。

私達だって、臭いが残った汚いトイレは利用したくないですよね。

猫たちもきれいなトイレを好みます。

まとめ:猫に好かれるトイレを目指そう!

猫のおトイレトラブルの多くはトイレ環境の工夫改善により解決します。

今回ご紹介したポイントは、あくまでも統計的に分かっていることをお示ししたまでです。

猫ちゃんによって好みの違いはあるでしょうから、そのあたりは試行錯誤してみてくださいね。

また、尿路系のトラブルを抱える猫ちゃんのためには、飲水量を増やしたり、ストレスの無い居住環境を整えることも同時に重要です。

以下の記事でそれらの対策について語りましたので、ご参考にしていただければ幸いです。


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