猫のストレス改善に役立つアイテム5選
こんにちは!犬猫の獣医師、あんじゅ(@vets_magazine)です。
うちの猫、ストレスに弱くて何かに付けて膀胱炎になってしまう
何頭も猫飼っているからどうしてもストレスが溜まりやすいみたい・・・
という悩みを解決していきましょう。
猫はすこぶるストレスに弱い動物です。
ストレスによって発症しやすい疾患
猫特発性膀胱炎
舐性皮膚炎
急性嘔吐・下痢
etc.
特に多頭飼育のご家庭の猫ちゃんは、同居猫との猫関係にストレスを感じやすく、上記の疾患の発生頻度が高い傾向があります。
この記事では、ストレスを感じやすい猫ちゃんのために導入すべきストレス対策グッズを5つご紹介します。
どれも導入するのにそこまで手間がかからないものばかりです。組み合わせて利用することで、猫のストレスを少しでも改善することができるでしょう!
猫のストレス改善グッズ
フェリウェイ
最近私が好んでよく処方しているのが、フェリウェイです。
猫には鋤鼻器という感覚器が備わっており、フェロモンという物質を感じ取ることができます。(人には存在しません。)
フェリウェイは、猫をリラックスさせる効果をもつフェロモンを製剤化した商品です。
この化合物は、猫の頬から分泌されるフェイシャルフェロモンF3に似た物質。
猫って、ソファとか家電とかにスリスリしますよね。あのときに頬からフェイシャルフェロモンF3が分泌され、それを擦り付けているらしいです。
慣れ親しんでいることを示すための物質であり、猫がそれを感じ取ると、なんだかリラックスした気分になれるというわけ。
特に何回もストレス性の膀胱炎を繰り返している猫には、おすすめしています。最新版の教科書には、猫特発性膀胱炎の治療法の1つとしても記載されています。
体感的には半数くらいの猫が、
すごくリラックスしてゴロゴロするようになった
おとなしくしている時間が増えた
膀胱炎の頻度が落ち着いた
と、なかなかいい感じの反応を示すようです。
逆に全く効果が無い子も半分くらいいて、どっこいな感じ。
「ん〜。半分の子にしか効かないのか〜。」と思っちゃった人もいるかもしれませんが、家に複数の猫さんが同居しているのなら、その中の1匹にでも効けば儲けもんです。
以下のような例もあります。
猫Aが猫Bから受けるストレスでよく膀胱炎になっていた。
Aに対してフェリウェイを処方してみたけれど、ターゲットのAではなくBに効き、Bが落ち着いた性格になった。
結果、Bからの攻撃が減ってAのストレスが軽減され、膀胱炎の頻度が減った。
たくさんの猫のうち、だれかがリラックスしてくれることで、他の猫のリラックスにもつながる。
…という相乗効果が狙えるのが、フェリウェイの良いところかなと思います。
使い方は簡単。
拡散器に液剤カートリッジを取り付けて、コンセントに指しこむだけ。
これだけでリラックスフェロモンがお部屋全体に拡散されていきます。
24時間つけっぱなしにすると、1カートリッジで大体1ヶ月持続します。
最初は以下の拡散器付きのものを買っていただき、その後はカートリッジのみ購入することができます。
スプレータイプもあるのですが、どこにスプレーするのが良いのか試行錯誤しなくてはいけないし、単純にスプレーするのが面倒で続かないことが多いので、拡散タイプがおすすめです。
隠れ家
猫が身を隠すことができるような隠れ家的な場所を用意してあげましょう。
例えばこんなものとか↓
冬は温かいふかふかタイプ↓
お一人様で利用できる程度に狭い空間だと、喧嘩にならなくておすすめです。
みんな気に入っているようなら猫の頭数分用意してあげると効果的。猫それぞれにお気に入りの場所ができるはずです。
キャットタワー
猫は高い場所が大好きです。
高い位置で落ち着ける空間を準備することでストレスを緩和することができます。
特に他の猫から追いかけ回されるような子は、高いところに逃げ場があるだけで安心感につながることがあります。
代表的なのはキャットタワー。
置くだけタイプのものなら手軽に導入できます↓
体重の大きい猫ちゃんは、乗ったときにタワーが動いて驚いてしまうことがあるので、以下のような突っ張り棒付きのものがいいかもしれません。
おもちゃ
おもちゃで遊んであげることもストレス発散に繋がります。
飼い主とのコミュニケーションが、何より猫にとっての癒やしになりますから、毎日遊ぶ時間をたっぷり設けてください。
猫は動くものを追うのが好きな動物です。猫の狩猟本能を満たしてあげられるような動くタイプのおもちゃがおすすめです。
定番の猫じゃらし↓
猫じゃらしのなかには紐が付いているタイプもありますが、あまりおすすめしません。
猫は紐が大好きでして、いつのまにか飲み込んで「紐状異物による腸閉塞」という厄介なことになる場合があります。
紐状異物はほんとに大変。腸閉塞の中でも特にひどい状態になります。命を落とすことも。
家の中に紐状のものを置かないことが唯一の予防法です。
できるだけ紐が付いていないおもちゃをチョイスしましょう。
↓こういう動く回転ボールみたいなものも。留守中勝手に遊ばせるのに良いですね!
トンネル状のおもちゃ(?)も猫に大人気です↓
入院中の猫にも使用したことがありますが、かなりの確率で利用してくれます。猫の隠れ場所にもなるのでおすすめです。
爪とぎ
爪とぎ行動ができないと、ストレスが溜まります。
目一杯爪とぎできるように、爪とぎは何箇所かに設置してあげてください。
爪とぎは大きめのもののほうが猫からの評価が高いです。
水平タイプが好きな子と、垂直タイプが好きな子がいます。
猫の爪とぎ行動を見て、どちらが好みなのか観察してみましょう。
まとめ:猫のストレス解消は疾患予防につながる!
猫のストレス解消対策をすることで、ストレスに起因する様々な疾患を予防することに繋がります。
手軽に導入できるものが多いので、まだ試していない方はぜひとも検討してください。
ちなみに、猫はトイレ周りの環境が整っていないとストレスを感じる生き物です。以下の記事を参考にトイレ環境も整えてあげると、尚良いでしょう。
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