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朝の恐怖

朝がとにかく怖かった
朝が来るのが怖くて夜は寝れなかった
いや、寝なかった
道が歪んで見えた
電車への1歩が踏み出せなかった
大嫌いな朝

夜、次の日の朝が来るのが怖くて不安で
寝る支度はできているのに寝ることが出来なかった
寝れないのでは無く、寝なかった
ずっとソファにうずくまって
「大丈夫だろうか、寝てもいいのか?」
とこんこんと自分に問いかけていた

朝起きて、とにかくギリギリの支度
頑張って家を出て陽の光に当たる
歩き始めると、駅までの道が歪んで見えた
歪んだ道をひたすらに歩いた

何度か、電車に乗れない時があった
ホームで電車を待っていたのに、足が動かなかった
凄く、凄く乗りたくなかった
会社に着くのがギリギリになるのが分かってるのに
乗れなかった
恐怖と不安が混ざってよく分からなかった

睡眠時間は極端に少なくなっていったと思う
以前は寝不足の時にエナジードリンクを飲んでいたのに
不安定な時期に入ってからは必要なかった
飲まなくても一日中働くことが出来ていた
何でだったのか、今も分からない

ただ反動で休日は馬鹿みたいにずっと寝ていた
一日中ベッドの中にいた
食事も面倒でしなかった
そんな生活が2ヶ月ほど続け
気づけば入社してから10キロ近く痩せていた

会社についてさえしまえば
あとは何とかなるのだ
やるしかないから
そんな感じの忙しない朝
恐怖と不安の織り成す朝