適応障害だと気づいた日

とにかく怖かった。
そこに立って居たくなくて、息苦しくて。
目の奥が熱くなって涙が滲んでくる。
胸の辺りが熱いような冷たいような感覚になる。
叫び出したくなる程不安だった。
帰り道に見た電車の光は、ものすごく綺麗だった。

新卒で働き始めて半年。
違和感はあったが、きっとただ弱ってるだけだと思っていた。
毎日が辛くて、自分はなんて仕事が出来ないんだろうと毎日押し潰されそうな気持ちで働いていた。
そのせいなのか、元々仕事が出来ないのかわからないが、細かいミスが頻発してさらに自信が無くなっていった。

いつだかの帰り道、気分は落ち着いてたのに電車の中で何故か涙が出てきて止まらなかった。
前に立っていた人はびっくりしたような反応を見せて知らんぷりをしてくれた。
最寄り駅に着くまでずっと泣いていた。
最寄り駅から家までの道のりには一本道に直線で横切る線路がある。
ぼんやりと歩いていたら、たまたま踏切を踏んだ瞬間に警報音が鳴った。
直線の線路の先を見ると、ずっと向こうに綺麗な光があった。
すごく、すごく綺麗だった。
ずっと見ていたくなるほど、綺麗だったのを今でも覚えてる。

近くにいた人が怒鳴る声。
慌てて線路から出た。
足はふわふわしていた。
今も思い出す妙な感覚。

その時から、
ああ、無理なのかもしれない
と思い始めた。
10月の上旬。