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想いや人生

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2020年11月の記事一覧

小さく大きないのち

小さく大きないのち

アスファルト
割れ目に伸びし
葉の緑

健気さと
仰ぐ命の
素直さ沁みて

我が身を悔ひて
戒め握り
またゆかんとす

影のゆくえ

影のゆくえ

人の家の明かりは
あったかそうで
優しそうに見えた
少年の日

帰らずにずっと
夜の淵を歩いていたら
涙が流れていた
少年の日


同じように
街の灯りを眺めて
静けさの赤信号を
物音もなく渡りながら
あの日の少年の
影のゆくえを

辿り着くところもなく
眺めている

天に向けて

天に向けて

冬の落葉樹
憂いを重ねて見るのは
人が人である感性です

土が見たら
風が見たら
空が見たら
月が見たら
星が見たら
時が見たら

どう感じるのでしょうか

落葉樹は答えずに
梢を天に伸ばしています

帰り花

帰り花

予期せぬ再会と
多くは語らない
互いの瞳
大人ぶって
手を振って
季節外れの 帰り花

遥かな遥かに

遥かな遥かに

水槽の空に
きらきらと
光を眩しく

移りゆくもの
永遠はなく
許された
『限り』の長さが
違うだけ

ぼくやきみが
居る世界でも
居ない世界でも

回遊の夜に
ゆらゆらと
星を唄ってよ

失われるものの
尊さに 世界は
祈りをこめて

受け継がれて
ゆくものに
永遠を灯す

夢


色のまえを 押しあけて
熱を帯びる 白い階段

歩いてゆく 登ってゆく
つまづいて よろめいて

ねがわくば その傍らに
こころ包む きみの歌を

雨と聲

雨と聲

アスファルトに
無数に落ちる聲


眺めては
肌にさらす思考
笑い声に乱されては
息を整える

さあ もう時間だ
腰を上げて
ゆこう