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「シネマストリート」少年。

少年役のAOTOくん。主人公は地元の少年にお願いしたかったので、山形で探してもらった。柔道をやっている中学生。俺は撮影の時にモデルを怒ったりしないので、彼の機嫌を損ねて寝技で締め落とされることはなかった。

誤解を招く言い方かもしれないけど、演技の基本は本人の持っている素質だと思っていて、児童劇団などで教えている不自然な芝居がとても苦手だ。

子供のオーディションでは小学生なら小学生の、中学生なら中学生の「普通さ」があるはずだけど、その本質が見えなくなるくらいの小賢しい演技をされると上手下手ではなく「この子と仕事をしたくないな」と感じてしまうのだ。

そういう子はだいたい親が熱心だ。親がプロフェッショナルな演技経験者でない限り、教えることはほぼ裏目に出ると思っていいだろう。

この写真は、全部の撮影が終わってから撮ったモノ。まったく演技の経験がないAOTOくんだけど、最初にカメラの前に立ったときとはまるで顔つきが違っていた。すべては本番の経験が人を磨くのだろう。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。