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見られながら撮る:写真の部屋

昨夜は友人と食事をした。そこには初対面の人たちがいてそれぞれに個性的だったので、全員の写真を撮らせてもらった。

写真には、撮る、撮られる、の他に「他人が撮られている様子を見る」というのがある。仕事の場合はクライアント、タレントのマネージャー、スタイリストもヘアメイクも見ている。見る目が厳しい大勢の人の前で撮るというのはとても大事なことで、これを体験しているかどうかの差は大きい。

数十人から多いときには100人くらいがいるスタジオで、全員がモニタを見つめている。そこに映し出された写真は、当然だけど目の前にある実際の風景とは違っている。こんな風に写っていたのかという意味の「おお」という言葉を聞く瞬間がうれしい。自分がデザイナー側なら、「この人に頼んで良かった」と思える瞬間だ。

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昨夜のように、初対面の人を遊びで撮るときは「撮る順番」を考える。まず最初に社交的で物怖じしない人を撮る。そのほうがスムースに撮れるからだ。まわりにいる人は他人が撮られるのを見ながら自分の順番が回ってくることを意識しているから、徐々に緊張感が出てきたり、その環境に慣れてきたりする。俺は撮りながら、「他人が撮られているのを見ている人」のことも横目で確認している。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。