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『ロバート・ツルッパゲとの対話:書いてる』

まだ書いてるよ。クルマは一通りできあがったけど、まだハンドルとブレーキがついていないレベル。走れるんだけど曲がれないし、止まれない。

「Anizine」を読んでくれている人は、少なくとも俺が本を出すことに興味を持ってくれていると思う。数年待たせてしまって申し訳ないと思っていますが、作るモノって、できるまでは「できてない」んだよね。

途中までやることは誰でもできるけど、完成させることが難しい。それと、基準を下げたくなかったから、自費出版とかはするつもりがなかった。それでお金を集めたりしても、興味を持ってくれている内輪のノリにしかならないから。

最近、急にSNSへの取り組みに完全な本腰を入れだした平林監督と話していて、結局のところ、評価というのは「自分のことを知らない人」がどれだけ動くかにかかっているんじゃないかと思った。

田中泰延さんは広告業界では名の知れた人だけど、そんな狭い業界で動く人数はたかがしれている。田中さんの業界での存在をまったく知らない人が動かないことには、15万部なんて数字は出てこないし、平林監督のnoteのフォロワーが2万5000人になどなるはずがないのだ。

高校生の時に、クラスでコピーバンドをやっているグループがあった。それからしばらくして、オリジナルの曲でライブハウスに出るようなバンドが別にできた。彼らはコピーバンドのメンバーに向かって、「よう、カラオケ」とバカにして言った。

それなんだよな。自分ができることは年齢に応じて変わっていかなくちゃいけない。小学生がおもちゃのギターでバンドの真似をするのはいいんだけど、高校生にもなって同じことをしているわけにはいかない。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。