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あったモノと、準備したモノ:写真の部屋

どうしたら写真がうまくなるでしょう、とは写真を始めた人から必ず聞かれる質問なんですが、まず「うまくなった結果」が理解できていない人には答えを提示されてもその意図がまったくわからないでしょう。

そもそもうまい写真なんていうものはなくて、自分が撮りたいと思った理想像に撮影の技術が追いついていれば、結果としていい写真が撮れたことになるでしょう。質問されたときは誰でも理解しやすい「準備」の話をすることにしています。

何かを撮るときにはいくつかのスタンスがあって、撮りたいモノをたまたま目にした、これ(人)を撮りたいと思った、などが考えられます。写真を始めたばかりの多くの人はおそらく、「あ、これは面白い」と思ってシャッターを切っていると思いますが、これは第一段階です。しばらくすると人物をセットアップして撮りたいとか、テーブルの上に料理をセッティングして撮りたいというように、今は存在していないモノへと進化していきます。

このときに気をつけなくてはいけないのは、セットアップする場合に偶然は決して起きないということです。あなたがそこに何かを置かなければ何もない。この手前の段階で挫折している人をよく見かけます。

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街で面白い風景や彫刻を見つけたから撮った。友だちに会ったから撮った、それはそれでいいんですが、セットアップされた写真ではそれらすべてを自分で準備する必要があります。面白い彫刻、モデル、料理なら食器や花。その全部が写真を構成するパーツですから、どこかひとつでも基準に満たないと写真としてはレベルの低いモノになってしまします。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。