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才能の比率:写真の部屋

結局のところ毎回同じ書き出しなんですけど、スマホで写真を撮る人が増えた状況を「いいこと」だと思っています。

一番早く、プロが使うのと同じ高性能なデジタル機器が誰でも手に入るようになったのは、音楽の分野だと思います。これはもう数十年前のこと。シーケンサーやMIDIやサンプラーがデジタル音源として誰でも使えるようになり、打ち込みができるようになった。たとえ楽器が弾けなくても本格的な曲が自宅で防音設備などなくても作れるようになったのです。

それまでのアマチュア・アナログスタイルでは、やり直しが効かないので楽器は完璧に弾けなくちゃいけないし、多重録音によるノイズや劣化の問題と戦っていました。それをクリアするためには高額なスタジオシステムを使う必要があったのが、デジタルでほぼ解決されました。

それからかなり遅れてデジタルカメラ、デジタルビデオカメラが編集ソフトとともにプロスペックになりました。今では中学生が頑張れば買える程度の最低限のシステムでも十分納品レベルにできます。Youtuberはそこまで映像にはこだわっていませんけど、若い人の中から今後スゴい人たちが出てくるでしょう。

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iPhoneやGoogle pixelなどのカメラ機能を見てみると、昔のカメラ以上の性能です。過去、CMなどでカラコレのために使っていたDA VINCIは、編集スタジオのひと部屋を占領していて、設備は数千万円級でした。それが今はフリーソフトになっています。

さあ、ハードが揃いました。ここから先は、生み出すチカラ(ソフト)の出番です。面白い企画のYoutubeをやったり、自主映画を作ったり、写真集を作ったり、何でもできる。

でもね。面白いモノを作る、という「才能の出現比率」は、ハードの進化には関係なく、どんな時代も常に一定なんです。最初の敷居が低くなったことで参入する人が増え、裾野が広がった分は増えるんじゃないかと考えがちなんですが、そうではありません。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。