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視線の重要性:写真の部屋

当たり前なんだけど、写真を撮り始めた当初からグイグイと人物に寄っていける人は少ない。だから動かないモノを撮るんですよね。カフェオレとか。

写真の仕事を大きく二つに分けると、人物と静物があります。俺は絶対にブツ撮りしかしないのだと決めるのもいいんですが、写真の技術は「こちらの思い通りにならない」ものを撮った方が上達が早いので、人物を撮る練習をして損はないと思います。

「コミュニケーションが苦手、カメラみたいなガジェットが好き、イコール人見知り、人間撮るの苦手、彼女いない」と、短絡的な決めつけをしてはいけないと思うんだけど、カメラ売り場とかカメラショーみたいな場に行くとそういうタイプが多いと、遠い親戚が言っていました。

冗談はさておき、カフェオレとは違って意志があり、こちらの思った通りにならない人間という相手と対峙するのは、逆に言うとバチッと通じ合ったときの快感が激しく大きい。その可能性を排除しないで欲しいのです。

コミュニケーション能力がなく相手と対等に戦えないと、躊躇がそのまま写真に出てしまいます。多くは視線の扱いでわかります。繊細な表現を狙っているかのように視線を外した写真ばかり撮っていると、ストレートな写真が撮れなくなります。数枚のうちに一枚くらい視線を外したモノがあると、組み写真としての意味が出てくるんですが過剰な「視線外し」は、あざとさにつながることもあるので要注意です。

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完全に視線と顔の向きを外したモノ。

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顔がわかる程度に視線を外したモノ。

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顔の方向はややずらして、視線はこちらに来ているモノ。

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顔も視線も、バチボコに来ているモノ。

このように、その撮影において意味のある方法を選ぶのが大事です。

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写真の部屋

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。