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メンタリスト:写真の部屋

心理学を勉強した人がいて、俺はその人が撮った写真を見てみたいなあと思っています。彼女はテレビに出てくる人のように、他人の心の中を当ててみせるようなことはしないんですが、その考え方を聞いたことはとても勉強になりました。

ポートレート写真の善し悪しは、そこにいる人、カメラを持っている人の関係で決まります。それは千差万別で、相手が心をゆるす関係、対決している関係、互いに尊敬し合う関係、などすべて違います。

その時「絞りとシャッターと感度が」なんてことはどうでもいいんです。そんなのは撮る前に全部決まっていなくちゃいけない。モデルに立ってもらってから考えているようじゃ相手が不安になります。

俺は「絶対に写真なんか撮られたくない」という人を、今まで何人か撮ったことがあります。そういう時の方が燃えます。撮影が終わるまで一言も返事をしてくれなかった人もいました。でも気むずかしく見えた人が、できあがった写真を気に入ってプロフィールに使っているのを見たりすると、勝ち負けじゃないけど「撮って良かった」という気分にもなります。

写真家はかなり専門的に「心理学」を学ぶべきだと思います。

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それはレンズのスペックや新しいカメラの性能などの勉強より、ずっと効果があるでしょう。俺が彼女に最初に会って驚いたのは、カフェに入ってくる客がどの席に座るかをほとんど当てたことでした。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。