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僕は1万円持っている:PDLB

企業文化などという言葉を聞くことがあります。それが企業の空気を表している場合もあれば、ワンマン経営者の人生哲学だったりもします。企業全体の文化というのはそう簡単に醸成されるものではありませんから、どちらかというと、我が社はこういう会社なのである、という経営者のある意味で独善的な思いが外部に表出されることの方が多いかもしれません。メディアなどを通じて外部に放たれたその言葉を受け取って、インナーの人々(社員)が理解するといった逆輸入スタイルなのでしょう。

企業の質は経営者からのトップダウンだけで決まるものではなく、近年ではソーシャルメディア担当が「人格としての企業」を消費者に対してフレンドリーに打ち出して成功している『SHARP』のような事例もいくつか見受けられます。モノを売るときに陥りがちな、商品の利点ばかりを声高に訴える手法がもう受け入れられなくなっていますから、SHARPがしてみせたような「当社の製品にはこんな欠点もあるんです」という、過去にはあり得なかったアプローチが「正直だ」と認めてもらえた理由でもあるわけです。

上場企業のような大きな企業では、会社の在り方を株主から客観的に監視されていますからあまり特殊なことはしにくいですが、一代で築いた中小企業などはワンマン経営者の不用意な振る舞いに驚かされることがあります。年齢的にデジタルネイティブでない場合は、ソーシャルメディアの効能や危険を知らないことから起こります。社内や取引先のような狭い世界では通用してしまっていることも、一旦ソーシャルメディアに載ってしまうと取り返しがつきません。政治家なども同様ですね。

いわゆる「炎上」してから気がつくのですが、ブランディングとは企業の人格ですから、プライベートであろうとも、経営者がどんな言動をするかには細心の注意を払う必要があります。社内でそのブレーキになる立場のサポートが働いていないと事故を起こします。もちろんすべてに保守的なブレーキが効きすぎても企業改革を阻害することがありますから要注意なのですが。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。