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ロバート・ツルッパゲとの対話 : 魔法使い

電気の本と、電気製品の説明書の違いは何か。

本を読むのは、応用が利く知識を得ること。説明書はその製品を使うためのモノで、新製品が出たら役に立たない。今求められているのは、「知識なんかどうでもいいんですよ。明日売れる方法だけが知りたいんですから」というマニュアル。

「勉強するのは、魔法を使えるようになること」

という誰かの言葉を聞いて納得した。目の前にある問題への対処法ではなくて、すべてを根本から解決できる魔法使いになるのが勉強の存在意義だ。

ロバート・ツルッパゲの本では、魔法使いになるためにはどうすればいいかを書きたいと思っていた。

いくら「大金持ちになるための99の方法」みたいな本がベストセラーになっても、買ったほぼ全員が、本を読む前と生活をしているはず。

当たり前だ。世界に流通しているお金が誰の銀行口座に集まっているかという経済活動の基準で考えたら、本を書いた「あらかじめお金持ち」のところに、貧しい人の小銭が流れたというだけなんだから。

そこにあるのは勝ち負けの概念で、もしお金が必要なら、必要な分を創造できればいい。ネットで稼ぐ、アフィリエイト、なんて言っている人はバトルロワイヤルのようにギュウギュウ詰めのリングにあがって殴られ、鼻血を出して負ける。

アメリカでゴールドラッシュの時代に、一攫千金を夢見て金を掘っていた男たちがいた。大勢が作業する様子を見ていたある男が、すり切れない丈夫な布製のパンツを考案し、大ヒットする。それがリーバイスの501だ。

これが魔法使いと、汗だくで金を掘っている人々との違い。

こういうのはただの下世話なビジネス・エピソードだけど、もっと大切なことは他にある。ビジネスの話をする人がたいがい面白くないのは、魔法を使えないからだ。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。