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前後マニア:Anizine

自分が飛行機のどの部分が好きなのかを真剣に考えていました。旅と連結しているからだというのはわかります。しかし鉄道も旅を構成する要素なのにそこまでグッとこないんですね。あれは車輪が地面に接しているからで「もし間違えたら落ちる」という不安調味料が不足しているからかもしれません。薄味なのです。お吸い物系です。もちろん鉄道事故の方が飛行機事故より発生率が格段に高いのは周知の事実ですが、なんというか『印象の強さ』の問題です。

飛行機は好きでも機体マニアではないので、787とか-300とか言われても興味がなくて、よくわかりません。「これはプロペラ機だな」くらいの違いはわかります。私は仕事でもお世話になっている日本航空に乗ることがほとんどで、以前はFLEET CALENDARやWorld of beautyというのを作っていたこともあります。以下の例はすべてJALです。

ファーストクラス:
ヨーロッパは階級社会ですから、そこから生まれた旅客機の機内にはわざと序列が作られています。窓が4つ分くらいの大きさのファーストクラスは快適ですが、別にここまで広くなくてもよくて、食事などのサービスは過剰とも言えるほどです。喉が渇いていませんか、寒くないですかと、つねに気をつかってもらえるのは有り難いのですが、手のかかる園児になった気分です。

ビジネスクラス長距離:
私はもう初老なので、どこかに行く前には体力を温存しておく必要があります。ヨーロッパやアメリカのように14時間くらいのときはフルフラットのビジネスシートだと疲れが1/5くらいになります。この体力温存にお金を払うかどうかです。長距離便に多い箱形のシートは壁で囲まれているので安心感があります。離着陸時に仕切りを下げていると隣の知らない人と気まずいカンジにはなりますが、飛んでしまえば安心です。

私はお酒を飲まないので、いいシャンパンやワインがあるなどというのは評価の対象にはなりません。食事もビジネスクラスではかなりちゃんとしたものが出てくるのと、食べる時間を自分で決めて自由に注文ができるという利点があります。エコノミーとビジネスには劇的な差があるのに、ビジネスとファーストにはそこまで大きな差はありません。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。