見出し画像

自分がいるエリア:写真の部屋

一枚の写真を見るとき、あなたの心はどう動いているでしょう。一旦、写真のことを忘れてみてください。いい音楽を聴いたとき、美味しい料理を食べたとき、私たちの感覚器は技術だとか理論だとかを経由しない反応をします。

私が好きなフレンチレストランが西麻布にあるのですが、誰かをそこに連れて行くのがいつも楽しみです。最初に出てくるアミューズを初めて食べる人の驚いた顔を見るのが好きなのです。私はもう何度も体験していて、それでも毎回美味しいと思うのですが、初体験は一度だけですから初めての人の顔を見たい。リエットが詰まっていて指でつまむ小さなシューの美味しさから、これから出てくるはずであろう、次の料理への期待が高まります。

こういった肉体の体験は、レシピやウンチクとは無縁です。ただ感じればいいのです。音楽でもライブ会場で大好きな曲のイントロが流れてきて、鳥肌が立つような瞬間がありますよね。

さて、それを写真に置き換えると。

ここから先は

909字

写真の部屋

¥500 / 月

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。