くだらない結論:Anizine
「やべーよ、バイトをクビになっちゃった」
「マジかよ。生活できんのか」
「貯金を切り崩すしかないな。冬は軽井沢と那須の別荘の光熱費がハンパないから」
「そうか。カツカツだな」
「うん、カツカツ極まりないよ」
「ところで、何でバイトをクビになったの」
「店の入口にアルコール消毒をすることろがあるだろ」
「あるね」
「若いカップルが来たときに、男の方にだけ『お客様はもう一度、お願いします』っていう遊びをやっていたんだよ」
「見た目が汚い感じの男に、か」
「そう。6年前のユニクロ着てる感じの男に」
「それは俺が店長でもクビにするかもな」
「明後日のパーティには来るの。お金ないと思うけど」
「そうだな。お金がないのもあるけど、プロ野球の試合に誘われてるんだよ。お前より仲のいい友だちだから、そっちを優先する可能性が高い」
「気持ちがいいくらいにサイコパスだな」
「うん」
「で、どこの試合なの」
「野球にはまったく興味がないからよく知らないけど、イ・リーグって言っていたような気がする」
「おい、イ・リーグとウ・リーグって二軍じゃねえか」
「そうなのか」
「一軍の試合を観ろよ」
「一軍の方がいいのか。覚えておく」
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。