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目を養う:写真の部屋

写真が巧くなるためには数をこなすべきでしょうか、と聞かれることがある。巧いという定義についてここで話すつもりはないけど、技術の習得という意味なら完全に「数」だと思う。

技術は繰り返さないと憶えない。ニューロンやシナプスの機能を思い出してもらえばいい。何百回も使っていればカメラのダイヤルやボタンは見なくても操作できるようになる。これは単純に数をこなすことで解決できる。

ただし、抽象的な意味での向上であれば「数をこなす」じゃなくて「数を試す」の方が近いかもしれない。あらゆる方法を試してみることで消去法のように理解できることは多い。この時はこうするといい、という答えは出にくいから、こうすると失敗する。したことがある、という経験を積み重ねておくことが大切。

自分は絶対にこういうスタイルでこういう写真しか撮らないのだ、と決めて範囲の狭い作品だけを撮っていくアーティストになるならそれでいい。色んなモノを趣味で撮りたいとか、職業として「カメラマンになろう」とするなら、同じ方法しかできないと成長がない。

自分が「失敗しないひとつの方法」を選択しているわけだから、幅が広がらない。でも仕事になったら「こんな風に撮って欲しい」と言われて、やったことありません、できません、では困るのだ。

たとえばこんな訓練の方法がある。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。