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写真の中の文字:写真の部屋

カメラは、撮る人を写しているんだ。』の中で『はっぴいえんど』のアルバム、通称『ゆでめん』の話を例にしましたが、文字は映像より速く伝わるので、写真の理解がそちらに引っ張られてしまいます。ですから写真の中にはできるだけ説明的な文字を入れないようにしています。

あるとき、記念写真を撮って欲しいとカメラを渡されたので撮ったら「建物の上の方にある看板の文字が入っていない」と言われました。こちらは人物をメインに撮ったのですが、彼らにとって重要なのはその建物に来たという文字による説明だったのでしょう。

誰かが写真をアップすると、その写真の中に写されている文字に反応する人が必ず出てきます。写真を撮っている人はそれをしません。ビジュアルの構成要素として文字が入っていたとしても内容とは関係ないことがほとんどだとわかっているからです。

とても下品なサンプルで、書くのも憚られるんですが、ある女性の背景に店の「ただいま1万円」と書かれた派手な看板が写っていました。そこに「この女の子がたったの1万円なんですか笑」とコメントがついていました。写真の話はさておき、こういう下品なコミュニケーションしかできないおじさんはどこにでもいて、さらにそれが面白い冗談だと思っているのが地獄です。

ふー、写真の話に戻ります。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。