HDR:写真の部屋
HDRという技法がある。
High Dynamic Rangeという意味で、画面の中の明部と暗部のコントラストを調整してどちらも破綻しないようにする合成方法。これはそもそもあり得ない光の状態を作り出すので、加工したことが強調される。
俺はHDRが好きじゃないのでやらないけど、ハイライトを抑え、シャドウを持ち上げるレベルがライティングの範囲内であれば、ほんの少しはレタッチする。
最初はコントラストでも彩度でも何でも、強めに効果をかけてしまう。それが面白いからだ。でもだんだん薄目の味付けにたどり着く。ケチャップとタバスコをかける面白さが終わる。
この写真は、自然の光がHDRの効果に近くなった例。背景が雨雲で暗くなり、手前は明るく光が当たっているので全体がフラットになっている。
だいたいにおいて空は明るく、近距離のモノがその明るさを超えないことは決まっている。反射する光が光の本体の明るさ以上になることはないからだ。
厚い雲が生み出すHDR的な明るさの均衡は、平凡な風景に微妙な面白さを付け加えてくれる。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。