見出し画像

銀のエンゼル:Anizine

才能がまったくない私のような人でも、できることがあります。それはサボらずに続けることです。天才的なマスターピースを生み出すことはできなくても、凡才的なモノなら毎日100個は作れます。私はこれを「銀のエンゼル」と呼んでいますが、数が集まれば何とかなると思ってやっています。

何かを作ることには共通点が多く、作曲する音楽家、新しいメニューを開発しているシェフ、だれもがコアの部分では同じ困難に立ち向かっています。だから違うジャンルの人とも話ができるのですが、同じ業界の人であっても自分とは話が通じない人がいます。作ることへのスタンスが違う人です。

ある写真をやっている人から「あまりネットに写真を載せると価値が下がるよ」と言われたことがあります。その考えは自分とは違うので、耳のまぶたを閉じました。その人はソーシャルメディアを一切やっていないのですが、昔、少しだけやっていたことを私は知っています。彼は自分の華々しい受賞歴や知名度のある人のポートレート、大きな企業の広告などを載せていたのですが、一年経ってもフォロワーは20人くらいでした。プライドの高い彼には屈辱だったのでしょう。何事もなかったかのようにすぐにやめてしまいました。

ここから先は

515字

Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。