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先入観:写真の部屋

写真を撮る瞬間とか、撮った後のことをいうのはわかりやすいんですけど、そのずっと前のことがどうしても気になります。

どういう衝動で自分は「シャッターを押したくなるのか」に自覚的になることを心がけていて、それは個人的すぎて、人とは共有しにくい感覚です。

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いつでも写真を撮っているので、後から見たら失敗だと思うものもたくさん残っています。その例としてはうまくないかもしれませんが、たとえばこんな写真。長野にロケに行ったとき、少年が自転車に乗って走ってきたのを撮りました。

こういうのは反射的な衝動なのであまり考えていないんですが、しばらく経ってから見てみると、あきらかにダメだなあと思う。つまり、撮る前に思っていたことが写真に出てしまっているのです。

この時は誰もいない駅のホームでモデルにスタンバイしてもらい、電車が到着するタイミングで撮影するところでした。一旦テストをすると、次に電車が来るのは1時間後、みたいな間隔だったのでのんびり待っていました。

このときの俺の「先入観」というか「畑の中の線路沿いを小学生が自転車で走っている、のどかな図」という安直な気分が、そのまま写真に写っていました。先入観で撮るとだいたいの場合、愚かな写真になります。恥ずかしいけど見せております。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。