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ミッドナイト・ツルッパゲ

リスナーの皆さんこんばんは。ロバート・ツルッパゲです。そろそろ桜が咲き始めているところもあるようですが、いかがお過ごしでしょうか。今日の最初のお便りは「ビリー・ジョエリッシュ」さんからです。

ロバート、こんばんは。『ミッツル』を楽しみにしている45歳・システムエンジニアのビリー・ジョエリッシュです。ハガキを書くのは今回が初めてです。恋の話なので恥ずかしいんですが。半年ほど前に取引先の会社に行ったのですが、そこで働いている女子社員に一目惚れしました。彼女はいつも会議室でお茶を出してくれるので、たぶん僕に好意を持っていると思います。

ある会議の終わりにチャンスがあったので彼女の席にあったノートパソコンにUSBメモリを挿し、素早くデータを吸い上げました。仕事とプライベートの両方で使っているようで個人情報が満載でした。住所などもわかったので、彼女の住んでいるマンションの向かいに引っ越しました。窓から彼女の部屋が見えます。部屋にBTSのポスターが貼ってあったので「BTSの東京公演のチケットをもらったんですけど、興味ありますか」と聞き、さりげなく来週のライブに誘うことに成功しました。次はどうにかして部屋の鍵を複製できれば、と思っていますが、気づかれないようにコピーする方法についてマイアミバイスがもらえればうれしいです。これからもミッツル聴きます。それとロバートの自宅横のマンション、工事中でうるさいでしょうが睡眠不足にならないよう、応援してます。

というお便りですけど、ビリー、きみはちょっと「恋」というものをはき違えているかもしれないね。おそらく彼女はきみに好意なんて持っていないと思うよ。お茶を出すのも業務のうちだし。きみはエンジニアなんだから、パソコンから個人のデータを盗むなんて絶対にやったらダメだ。もしかしたらそのデータの中には人に見せられない写真なんかもあっただろう。悪いことは言わないからそれをまとめてうちの番組に送ってから、消去しなさい。僕が責任を持って処分するから。はっきり言うよ。ビリーがしていることはストーカーだ。「ボイラーへ石炭を自動的に送る装置」のほうのストーカーじゃないよ。

たぶんビリーは人付き合いが得意じゃないんだと思う。それは仕方がないけど、だからといって自分が持っている技術をフル活用してデータを盗むなんてもってのほかだ。好きな人にすることじゃないよ。わかるよね。まずは彼女の家から離れた場所に引っ越して頭を冷やすんだ。わかったね。僕はビリーのような人が一番嫌いだ。

さて、曲にいきましょう。Deep Purpleで、『BURN』です。

(スタッフから)
ロバート、ご自宅のマンションが火事だそうです。


多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。