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画面の中のテキスト:写真の部屋

写真に文字を写り込ませる意味について。

映像で表現する場合、画面には文字が入らない方がいい。映像と文字は脳に入ってくる速度が違うので混乱するからだ。

テレビなどのテロップ問題もそうだけど、何が面白いのかを見極める前にテキストでそれを知ってしまうことはつまらない。よく洋画の字幕で、台詞を言っている途中に日本語字幕が先行していることがある。クイズの問題に答えようとしているのに、答えが表示されてしまっているような。

それをよしとする人もいる。頭を使いたくない人だ。こう楽しみなさいと言われないと楽しめない人はそれでいい。テロップが出るタイミング通りに笑っていればいい。

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写真の中に文字が入っていると、写真を眺めている滞留時間が短くなる。ここに何が写っているんだろうと悩む時間が減る。襟裳岬、という碑の前にバイクを停めて撮ることや、エッフェル塔の前で撮ることも同じ。ああ、そこに行ったんですねとわかればいい種類の記念写真はそれでいい。

写真で何かを表現したいならそれはやめた方がいい。クイズに答えるんじゃなくてクイズを出題するために問題を作らなくちゃいけないからだ。クイズは答えられる人が偉いんじゃなくて、問題を考える人の方が偉いのだということを忘れてはいけない。

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これらの写真は、あまりにも文字が風景になりすぎていて、ある意味、文字があるからこそわかりにくくなっている例なので撮った。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。