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Anizine:友人から格下げ

ある友人と話していたとき、彼が言った言葉に疑問を持ちました。

彼はネットで、「著名人の講演料が高いという記事を読んだ」という話から始めました。だから自分も講演をしたい、と。そして時々ですが、トークイベントに呼ばれたりすることがある俺に話を聞きたい、というのです。

それが目的だと最初からわかっていたら、俺は断っていました。

「時間は有限だから、効率よく使うべきである」なんていう、安っぽいビジネス本に多くの人たちがコピペで書いているような理由ではありません。そんなことは誰でもわかっています。

俺も仕事ではそれを優先しますけど、友人と会うことを無価値な時間とは考えていないので、ただ無駄な時間をエンジョイするために、お茶を飲みに行ったのです。

しかし彼は、自分の思いつきを検証するために俺を呼び出したのだと知って、ちょっとさびしい気がしました。インテリジェンスのない儲け話ほど付き合いたくないモノはありませんから。だったら、くだらないエロ話の方がずっとましです。

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『ロバート・ツルッパゲとの対話』では、損得で人と付き合うのは下品だからやめよう、という話をいくつもの章で書きました。損得メインで生きていこう、という本はウンザリするほど書店に並んでいるからです。

まずその前に、彼はなぜ著名人の講演料が高額であるという記事を読んで、自分にも同じことが可能だと思ったのか。それがなぜそういう価格設定になっているかを知らなかったんでしょうか。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。