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写真の部屋

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。
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#齋藤陽道

齋藤陽道:写真の部屋

日本橋三越でおこなわれている、陽道さんの写真展にお邪魔してきた。 彼の写真は、写真の原点というか、本質を知りたい人にはぜひ見てほしいと思う。もちろん陽道さんは写真の技術も優れているんだけど、「写すべき人と会い、写すべきモノを見つけて」撮っている。写真とは極言してしまえば、ただそれだけのことなのだと思う。それ以外の部分は全部オマケ、自己顕示欲や自己満足なんじゃないかと、恥ずかしくて顔が赤くなる。 陽道さんのことを知らない人は、まず『うたのはじまり』という映画を観て欲しい。彼

音楽と写真:写真の部屋(無料記事)

ぼくが写真で心がけていることは、理解よりもずっと手前の、 そのひとがただそこにいることのなんでもなさが どれだけ劇的に見えるか、を。 そう見えるようにいられるために、いつも、考えています。 見逃していた『うたのはじまり』を配信の最終日に観た。 俺にとっては尊敬するひとりの写真家の生き方を見ることができてうれしかった。最初に引用したのは映画の中でチャットをしている齋藤陽道さんの言葉だ。俺は今までずっと言葉を尽くして写真について書いてきたけど、「この短い言葉で全部言われた」と

齋藤陽道『声めぐり』:写真の部屋

写真家・齋藤陽道さんの『声めぐり』を読んでいる。 以前から、いい写真を撮る人だなあと思っていた。確か、七尾旅人さんのツイートで知ったような気がする。それからTwitterでだけ会話をしていたんだけど、昨日初めて会うことができた。プロレスをやっていることもあって頑丈な体格をしていたし、握手した手もPENTAX67がフィットしそうだなと感じた。 『声めぐり』は、知人の編集者である大熊さんが書いていた聴覚障害について少しでも理解できればと思って読み始めたが、音と世界との関わり、