彼女が隠したかったモノ:写真の部屋
『ロバート・ツルッパゲとの対話』で、地方から東京に出てきた女性が、部屋をイタリアン・モダンの家具で統一していた話を書いた。
「出発点と目的地がどこか」がわかってしまうと興味がなくなるものだ、という意味で書いたのだが、彼女は「自分の生まれ育った場所は何もなくてダサくて、だからオシャレに暮らしたいのだ」と言った。
これは写真の話だけでなく、何かを作るときの心の持ちようとして説明がつく。出発点に「劣等感」があると「優越感」に向かいやすい。過去のダサかった自分を憎悪することから歩