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Anizine

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。
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#自分

皆さんに質問:Anizine

定期購読メンバーの皆さんに聞いてみたいことがあります。 どんなに複雑な問題でも因数分解のように単純化することで見えてくるものがありますから、皆さんの意見を伺いたい。質問は以下の通りです。

ハリウッドでなくても:Anizine(無料記事)

平林監督のnoteを読んだところです。私は今まで何十年も平林監督と話してきましたから、会っていないときにも話しかけられたような気がして、つい反応してしまいます。 平林監督の話は私もいつも思っていることですが「誰でも自分のことを他人に読んでもらうために書けばいいのに」ということです。みんな誰かの投稿を読んでいるのですが、「あの人は芸能人だから読む価値があるので、自分には何もないっすから」と、自分では書かないのです。これはコンテンツ価値の自己判断と言えましょう。あなたのコンテン

世界のサイズ:Anizine

昨日は『しのざき文化プラザ』でトークイベント、そのあと『読書のすすめ』でサイン会でした。質問をされたことから、自分が考えていなかったことにも思い至り、やはりコミュニケーションというのは大事だなあと思いました。「自分の想像する世界は、世界と同じサイズであるべき」という話をしたとき、あまりうまく説明できませんでしたが、言いたかったのはこんなことです。

スイカを生み出す宗教:Anizine(無料記事)

私はオカルト的なことに興味がありません。そもそも人間や動物が命を持って生きていることは科学でも解明できないオカルトそのものかもしれませんが、あえて言えばそれは宗教や哲学の領域です。真剣に一生をかけて答えが出るはずもないそれらの学問に立ち向かう人のことは尊敬していますが、まともに学ぶことなく問題の上澄みを軽々しく扱い、それを商売にさえする人々のことは心から軽蔑しています。 命が生まれて消えていく。 人が生きる、とはたったそれだけのことです。最近、雛鳥が親から餌をもらう動画ば

くだらない結論:Anizine

「あのさ、俺、テレビ東京の『推しを召し上がれ』ってドラマのポスターを撮影したんだよ」  「ああ、知ってるよ。乳酸菌が出てくるやつな」 「そうそう。あれを見ていて、推し、って感覚がやっとわかった気がする」  「ニワカだな。博多出身でもないのに」 「そう思ってくれても構わないんだけど、今までまったく考えたことがない、推しって意味が実感できたんだよ」  「あれは乳酸菌を擬人化したキャラクターを推しているんだよね」 「その通り。でも相手が何であろうと推しの尊さは変わらない」  「それ

くだらない結論:Anizine

「昨日は青山ブックセンターのトークイベントに行ったよ」  「へえ。そんなのがあったんだ」 「世の中には無数のイベントがある。でもほとんどの人は自分が興味を持っているものにしか反応しないから、それ以外のことは知らないんだ」  「わかる」 「写真を撮ることについて、ふたりのぽっちゃりボディの写真家が話していたんだけどさ、とにかく『写真は自分が好きなものを楽しく撮れよ』っていうのが結論だった」  「園児並みの結論だな。まさか有料のイベントじゃないよな」 「有料だ。でもね、大人になる

三度目のウンチ

4年前に初めての本を出し、先月末に二冊目が出ました。出た、って言い方はどうなんですかね。小学生がウンチの話をしているくらい幼稚ですね。上梓とか出版とか刊行とかリリースとか色々な表現があるんですが、出版や刊行は出版社が主体であるような気がするので私が言うのは違います。上梓というのは、昔、梓の木で版を作っていたからだそうですが、今回の本は木版は使わず、デジタル作業がメインのはずですからしっくり来ません。 下品な言い方で恐縮ですが「考え」というのは排泄物のようなものですから、ウン

次に書く本と、鳥の子育て。

「最近、鳥の子育て動画ばかり見ている」という投稿をしているのですが、反応が極めて薄いのが残念です。皆さんちゃんと見たことがあるのだろうか、と涙ぐむ思いです。親鳥が与える餌である虫や小さなトカゲなどの見た目に拒否反応があるのかもしれませんが、それは私たちが日々食べている肉や魚も同じことです。 まず、巣の中の雛鳥はまだ目が見えていません。親が戻ってきた気配を感じて大きな口を開けてピーピー騒ぐのですが、親は雛鳥の口に割と乱暴に餌を突っ込みます。そんなに大きなものを飲み込めるのか、

自分の別解:Anizine

無料で読んでいる人のために結論を先に言ってしまうと、私はパロディが好きではありません。柔らかい表現をするなら「軽蔑している」と言ってもいいのですが、その理由については書店で本を立ち読みしながら「それは間違っている」と言うタイプの人に伝える義務もないので、ここからは定期購読メンバーのみにお伝えします。

ネットとの違い:Anizine

本が重版になり、Amazonへの初回出荷分もなくなりました。ホッと一安心です。先日「どうしたら本が書けるんですか」と聞かれました。よく知らない人からのあまりに素朴な質問なので、渾身の無視をしようと思ったのですが、自分の考えをまとめるために丁寧に答えてみました。 まず、本は書きたいと思っても書けるものではなく「書いてください」と出版社から頼まれないといけません、と言いました。 自分が思ったことをネットに書くのは誰でもできますが、それは「書く自由」が保障されているからです。た

くだらない結論:Anizine

「お前の本、まあまあ売れてるみたいじゃん」  「うん。ありがたいことに」 「おいおい、会話の最中にリンクを貼るなよ。野暮だな」  「売るんだよ。一冊でも多く」 「お前って、そんなにグイグイいくタイプだったっけ」  「違うよ。でも宣伝とか告知はスカしていたらダメなんだ」 「それはわかる。無名のおっさんが書いたわけわかんない本なんて、エレガントに構えてても売れるはずないもんな」  「そう。出せば黙っていても売れるのなんて村上春樹さんくらいだ」 「あの人の本って、出版されるまで極

違うね:Anizine

Twitter、Facebook、instagramは、私がフォローしている人しかコメントができない設定にしています。その理由は「コメントを含めて、その人」だと思っているからです。差別的、下品なこと、面白くない冗談といった書き込みをを放置するのは、許容していることを意味します。つまり自分が付き合っている人を含めた全体が「その人」だというのがソーシャルメディアの『自分の畑』です。そのメンテナンスを「雑草を抜く」と表現しています。 たとえば仕事でたまたま知り合った人が友達申請を

書けることだけ、書けばいい。:Anizine(無料記事)

「昨日、コンラッドでランチをしていたら、私がコロンビア大学で美術史を勉強していた頃の友人と偶然会った。彼女はNYで年商20億ドルの会社を経営しているアメリカ人と結婚しているが、休暇でコンラッドに泊まっている。一泊50万円くらいするみたいだ。前回は何年くらい前だっただろうか、私がNYPのオフィスで働いている知人に誘われてリンカーン・センターで会った。監督はアラン・ギルバートだった気がする。彼女とパートナーはこれから日本人の有名なベストセラー作家と『鮨さいとう』に行くのだという」