マガジンのカバー画像

Anizine

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。
¥500 / 月
運営しているクリエイター

2020年10月の記事一覧

バーキンのバッグ:Anizine PDLB 博士の普通の愛情

ある時、エルメスの会長だったジャン=ルイ・デュマが、飛行機でジェーン・バーキンの隣に乗り合わせた。ジェーンが「生まれたばかりの子供がいる自分に合うバッグがない」と不満を伝えたことから作られたという「バーキン」。 俺はParisの「REX」でジェーンのライブがあったとき、パーティでちらっと話したことしかないけど、とてもチャーミングで素敵な人だった。10年くらい前には羽田空港で見かけたことがある。Parisから到着すると報道陣が待ち構えていたので誰かが来るのだろうと思ったら、デ

水の国籍:Anizine

水に「ありがとう」と声をかけても、何も変わらない。 なぜなら彼らは言葉を理解しないからだ。もしそれで水が美味しくなると本気で思っているのだとしたら、自分のコミュニケーション能力を疑ったほうがいい。問題は水ではない。 自分が言いたいことに相手が理想の反応をしてくれないと苛立つ人がいる。それは会話の主導権、司会権を自分が持っていると思っている人のスタンスだ。対話の価値は、相手から違うボールが返ってくることへの驚きにある。 「相手の胸に返せ」というのがキャッチボールの基本だけ

元気な入院患者:Anizine(無料記事)

自分がわからないことについては、発言しない。 自分が関係しないことへの感情的な判断は避ける。 これは単純に聞こえるけど、とても大事なことだと思っている。「自分が関わるべき領域」を決めるというのは私生活でも仕事でも同じことで、領域のアウトラインを正確に決めておくと、無関係なことにみずから首を突っ込んだり、向こうからわずらわされたりするのを減らすことができる。 そして、不幸なことにひとたび自分が発言したことが原因で何かの問題が起きたとしたら徹底的に対応する義務があることも知っ

仏教ですよ:Anizine

文章の最後の言葉を、変えてみよう。 もう慣れちゃったけど俺が中年になってから意識していたのは、何かを感じたらその文章の最後を「ということがあって、楽しかった」と結ぶこと。 「ということがあって、腹が立った」と言ったり書いたりしてしまうと、その不満を増幅し固定化してしまうことに気づいた。だからどんなに自分にとって不利益なことがあろうと、楽しかったと思うことにした。 気持ち悪い自己啓発セミナーみたいなことを言ってるけど、試しにこれをやってみて欲しい。割とどうでもいいことでみ

ホラーと涙:Anizine

俺はホラー映画をまったく観ない。なぜなら夜中にオシッコに行けなくなっちゃうからである。 怖さという感覚にはいくつかの種類がある。 油断していたところにドルビーサラウンドで大きな音を出すなんていうのは一番芸がない。そんなのは誰でも驚く。そうだ。怖いんじゃなくて驚いているだけ。たちが悪いのになると、暗闇のキッチンに行くと大音量でキッチンタイマーが鳴ったりする。映画の主人公はホッとするんだけど、こっちは映画館でオシッコがレモそうになる。これはもう「ホラーの様式のパロディ」であり

罵詈雑言:Anizine

ネットには「警察」が大量にいるのだそうだ。 公務員でもなく給料も出ないのに、誰かが何かをすると取り締まるのだという。何やってんだお前ら。 というわけで、ここから先はAnizineの定期購読メンバーにだけ、インドネシアっぽい罵詈雑言をケチャンケチャンに披露したいと思う。ネットにいる警察は有料のエリアには入ってこないという。給料が出ていないからだろう。

ボンヤリする会

今度、皆でここに行ってみたい。