マガジンのカバー画像

博士の普通の愛情

恋愛に関する、ごく普通の読み物です。
恋愛に関する、ごく普通の読み物です。
¥500 / 月
運営しているクリエイター

2019年6月の記事一覧

バーチャル不倫。

「ブラックミラー」シリーズを観たことがありますか。Netflixでやっているドラマです。近未来SF仕立てで映像のセンスも素晴らしく、どのエピソードもとても面白いです。 今回のシリーズに『ストライキング・ヴァイパーズ』というのがあります。友人であるふたりの中年男性がオンライン格闘ゲームをする、バーチャファイターみたいなゲームの名前がそのままタイトルになっているんですが、なぜそれが「恋愛」なのかと言うと、かなりトリッキーな設定です。 オンラインでゲームをするうちに、ありがちで

究極の選択。

せっかちな人のために結論だけ先に書くと、素直でシンプルな人は成功するよね。そしてモテるよね。成功とは「他人から求められること」だから、好かれない人は成功もしない。 「究極の選択です。素直で性格がよくて頭のいい美人と、ねじ曲がった性格で頭の悪いブス、あなたならどちらと付き合いたいですか」と聞いてみる。 オフィシャルな発言としては当然アウトなんだけど、友人だけのお酒の場で聞いてみると答えはひとつ。「それって究極の選択じゃないじゃん」だ。

生きてるだけで、愛。

外国に行って感じるのは、国民性のように抽象的なモノではなく、初めて出会う、個人的な感覚であることが多い。言い方はヘタだけど、「こんな個人に会ったことがない」というような。 わかりやすく違って見えるのは、女性だ。 恋愛を軸にすると、はたして俺はこの異国の女性と恋愛ができるだろうか、と考える。すると、この土地に骨を埋める覚悟があるのか、あたりまで芋づる式にたぐり寄せることになってしまう。 便宜的に日本女性を「特殊」と位置づけることを許してもらえれば、それ以外の国の女性は、意

悲しみよりもっと悲しい物語。

毎日のことや仕事のことなら、書きすぎるくらいに書けるんですけど、恋愛というスイッチがないのでそれについては書き出せないことが多かった。 ただ、マッチの火か新聞紙が燃えていれば薪に燃え移らせることはできます。だからここ数回は、恋愛映画を点火剤代わりに書いているのです。 恋愛というのはシェークスピアの時代から飽きもせずに垂れ流されているコンテンツなんですが、名作の人物・舞台設定など、洋服で言えばフリルの部分だけが変わっているだけの焼き直しも多く、ギリシア神話から人類は何も進化

過去に戻って、会いたい人。

タイムトリップが題材の映画を続けて数本観ています。 今日は韓国映画『あなた、そこにいてくれますか』を観ました。何を言いたいのか、観たあとでもさっぱり理解できない邦題ですけど、それはさておき。 医師である主人公はカンボジアの老人からタイムトリップができるクスリをもらいます。その雑なプロップ(小道具)の設定は「メルモちゃん」を思い出させるほどレトロでした。 半信半疑ながらそれを飲んで過去に行くのは、昔愛した女性に会いたいという理由からです。そこには若き日の自分がいます。色々

友だちから恋人へ。

恋愛映画・漫画にありがちな展開の例をひとつあげてくださいと言われたら、「幼なじみと恋人になる」と答える人は多いんじゃないかと思う。 異性というのは近くにいればいるほど恋愛に発展しやすいと思うけど、幼なじみは恥ずかしい過去を知り過ぎていることもあってそうなりにくい。家族のようになってしまうし。でも「ずっと私を見守ってくれていたのは、結局あの人だったんだよね」と気づくという展開は、フィクションの場合はガチガチの鉄板なのである。 今日は韓国映画『今日の恋愛』を観た。 主人公の