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ジブリの烙印(東小金井村塾編その3~塾のはじまり方)

【ぼくがジブリに雇われるきっかけになった、ジブリ主宰の若手アニメ演出家養成塾『東小金井村塾』のことを書いていく連載です。】

【今回は『東小金井村塾』の初回の様子です。高畑勲さん、面目躍如です。】

1~塾がはじまる

月があらたまり、ぼくが大学四年生になった四月に、東小金井村塾は始まった。
毎週土曜日、ジブリのスタジオ内にある会議室で夕方から行わることになった。

面接試験ではじめてスタジオを訪れたとき、冷えびえするような気持ちで一段一段のぼっていた階段の、その踊り場にあった扉の先に、その会議室はあった。

一階入口のあのイガグリ頭の男性にまたも指示されて、ぼくは会議室に入った。
中に入るとすぐに五、六段の昇り階段があって、ぼくはのぼりながら室内の様子を不案内に見回した。
会議室は案外こじんまりとした広さで、長細い机が口の字型に並べてあって、もう何人か先に到着して座っていた。

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