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スペイン犬業界事情 人間家族は犬の〇〇

情熱的で、心も体も捧げる相手には、
私はあなたのものよ🌹」
なんてペラっと言いそうなスペイン人。

そして、貸したものは返ってこないと思え、
といっていいくらい
「オマエのものはオレのもの」
なジャイアンマインド
なスペイン人たち。

私も、アクセサリーから本からパソコンから、
いろんなものを借りパクされました(笑)

そして、あれ返してもらえない?と聞いたら、
平気で捨ててたりする…(;_;)

そんな彼らにとって、犬やペットさんはどういう存在なのか???

今日は、
「飼い主」という言葉を通して、それをみていきたいと思います。

では、比較としてわかりやすい日本事情から🇯🇵

そもそも「飼う」って単語が、
動物を支配するニュアンスがあるから嫌だわ、
と感じる方は多いようです。
食事さえ与えていればいい、という感じがすると言っている方も。

そして「主」。「ご主人様」かよ、と。

そう言われてみれば、どこまで上から目線なんだ、と
思わなくもないかもしれませんね。


私が今のこのお仕事で語りかけているお相手は、まさに

ワンちゃんの「ママ」「パパ」

人間の子供と変わらない愛情を愛犬に注ぎ
責任感を持って犬と向き合っておられる方。

です。

そういう方には「ママ」「パパ」がいちばん
しっくり来ると思って使ってはいますが
実際は時と場合によりますね。

カウンセリングなんかで1対1のときは、
呼ばれたい呼び方で呼ばせていただきますし

(人間の子供ではない)犬を守って育てることの尊さを込めて
あえて「飼い主さん」と呼ぶこともあります。

私の解釈ですが、「主」は、飼うという行為の主体、
責任の主、だと思っています。

やはり長く広く浸透している言葉なので、
使われ方に悪意を感じることがない限りは、
私自身はそれほど抵抗はないかなあ。

SNSでも、「ペット」への抵抗感ほど高くはなく、
「犬を犬と呼ぶな」ほど物議を醸すこともなく

文脈で言い換えられるなら変えましょう、くらいの温度感でしょうか。


では、お待ちかねの(?)スペイン事情🇪🇦

もちろん、パパ・ママ呼びは万国共通として。

これまでの一般的な呼び名は
Dueño(ドゥエニョ)」。

ちょっと硬い言い回しでは
「Propietario(プロピエタリオ)」とも。

どちらも、持ち主、所有者、オーナー、という一般名詞で、
傘や財布のような身の回り品から、
家や会社などの大きなものまで広く使われる言葉です。

「飼い」主のように、動物だけに使われる言葉というわけではないんです。

もう一つ、「Amo/Ama (アモ/アマ)」という言葉があります。
これは、家や家族の「主」という意味で、
家庭で暮らす動物たちにも使われます。

まさに「ご主人様」な感じですね。

いずれにせよ、「主」の部分、誰かに属しているという点に
フォーカスしています。
つまり、犬やペットは、支配されていい存在だという意識が
根底にあるかもしれません。

それが近年、動物福祉が広まり、
スペインを含むヨーロッパ、ニュージーランド、
ペルーそしてメキシコ市などでも、
法律に、動物は「感覚のある生き物」だと明記されるようになりました。

モノ扱いではなく、人と同じように
生きるものとしての尊厳を守られるべきだ
という流れですね。

で、最近のトレーナーさんたち、
特に若くて、新しい研究なども積極的に取り入れた、
犬を尊重するトレーニングを推進する人たちは、

Dueño」を一切使わなくなりました。

彼らが使うのは
Tutor(トゥトール)」。

日本語でも使う「チューター」と同じ単語だと思いますが、
日本でチューターといえば
勉強や仕事の指導をする人ってイメージですよね。

確かに、愛犬にいろんなことを教えるのは、人間の家族の役割です。

でも、もう一つ、Tutorには、
「後見人」「保護者」という意味もあったんです。

法的に、飼い主は犬を遺棄・虐待したら罰則を受けます。
長時間家に犬だけをおいて外出するのも今後禁止になります。

そういった、社会的な責任を負うという意味でも、
後見人や保護者というコンセプトは悪くないなって思っています。

ママやパパというのは、飼い主さんと犬の間の、
プライベートである意味ウェットな関係性であって、
本人同士がそう思っていない限り成立しません。

「いや、犬は相棒だよ」とか、
「いやいや、むしろ犬のほうが達観していて人生の師だと思っているよ」

という関係だって、あってもいいですよね。

なんなら、

「私は犬の下僕です」

と言い切る人もいます(笑)

そういう人たちにとって、ワンちゃんのママ・パパと呼ばれるのは
違和感があるはずで。

そんな関係でも、ご飯や日々のお世話は人間がやるのでしょうから
Tutorの「感情を差し引き、役割のみを示すニュートラルさ」が
Dueñoの代わりになっていくのはとても妥当な気がします。


Dueñoで思い出したのですが、
私がスペインに留学に来たばかりの頃、
「うちのアパートの家主さん」という意味で
「Mi dueño(私のオーナー)」と言ってしまい

「は???!!! あんたはモノじゃないんだから、
あんたの所有者なんていないわよ!!!!」

とスペイン人の友人から大ツッコミをされました。

借りパク上等、所有権感覚が甘いと思っていたスペイン人も、
モノと人・動物とは全然別の話、ってことなのかもしれません。

「私はあなたのもの💕」なんていうのはあくまでも
盛り上げるためのリップサービスで、
鵜呑みにして調子に乗った日にゃあコテンパンにされそう…
なんて思ってしまいました。

あれ、最後は犬業界事情というより
人間事情になってしまいましたが。

これを読んでくださったあなたは、
ワンちゃんの何と呼ばれたいですか?


これからも、ヒプノセラピーや潜在意識、犬の心理を駆使して
「ワンちゃんから世界一のママと呼ばれる」飼い主さんマインドを
作っていく方法をお伝えしていきますね。

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