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ローマ人はお米を食べたか(アニマより)

割引あり

(※この投稿は私の全面監修による古代言語Vtuberアニマ(@anima_divina)の特別執筆記事で、FANBOXの同一内容のコラムをnote版にしたものです)。

ローマ文化と米粥

 古代ローマにもお米を食べる文化があったって聞いたら日本の人間さんは驚くかな?

 ラテン語で「稲, 米」はorȳza(オリューザ)っていうの。
 古代ギリシャ語のὄρυζαを写した外来語だよ。

 歴史的には古代イラン系の言語からギリシャ経由でローマに伝わった放浪語みたい。
 稲の学名のOryza sativaの前半がこの単語だよ。
 後半のsatīvaは「栽培された」って意味の形容詞で(cf. serō, -ere, sēvī, satum「種をまく, 木を植える」)、栽培種の植物によく使われるの。

 この単語はラテン文学にも植物の「稲」だけじゃなくて食べ物の「米」って意味でも出てくることがあって、そういうとこからもローマ時代にもお米を食べる人がいたってことがわかっているんだよね。

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