見出し画像

カードゲームから考える「魔女」と「魔法使い」の違いについて【国士舘大学アニ研ブログ】

(本項はカードゲームについて扱いますが、ルールなどの話までは踏み込まないので、カードゲームに触れていない方でも読める記事になっていると思います。よろしくお願いします。注釈だけは具体例としてカードゲームプレイヤー向けの文章になっています。)

こんにちは。鯖主です。
先日投稿された「『魔女』のイメージと描かれ方」という記事に感化されたので、魔女について別の角度から考えてみます。

さて、この「『魔女』のイメージと描かれ方」は、時代や国によって魔女の描かれ方が変わっているねーという感じの内容だったのですが、この記事の中にこんなものがありました。

この中に「遊戯王」と「次元の超越」(「Shadowverse」というデジタルカードゲームに登場するカードでイラストに魔女モチーフのキャラクターが描かれている)が入っているように、多くのカードゲームでは魔女をモチーフにしたキャラクター、ないしはカードが登場します。多くのカードゲームでは魔法をモチーフにした種類のカード(*1)が存在するからこそ、そのイメージに近い魔女をモチーフにしたキャラクターが扱いやすいように思えます。実際、魔女がモチーフのキャラクターのカードは魔法をモチーフにした種類のカードと相性が良いように作られていることが多いです(*2)。
しかし、このような魔女モチーフのカードの特徴と同じような特徴を持つモチーフが他にもあります。それが魔法使いや魔術師です。そのため、カードゲームでは魔女と魔法使い・魔術師は同じようなものとして、あまり区別されずに扱われている印象があります。(もちろん、カード名に「魔女」とか「魔術師」とか書いてあれば区別されます。)それでも、一般的には(カードゲーム以外のコンテンツでは)魔女と魔法使い・魔術師は何となくでも区別されていることが多いと思います。果たして何を理由にこの区別をしているのでしょうか。

そこで、先程引用した魔女に対するイメージの質問に対する回答をもう一度見てみましょう。

この中で魔法使いや魔術師にも共通して言えそうな要素と言えば、「魔法」「西洋」「館」「ローブ」「帽子」「杖」辺りでしょうか。
となると、少なくとも衣類や身に付けているものでは魔女と魔法使い・魔術師に大きな差は無いのかもしれません。
であれば、魔女を魔女たらしめている要素は太字になっている部分、引用元記事では「負のイメージ」とされていた要素ではないでしょうか。もし、このように魔女と魔法使い・魔術師を区別する要素が「負のイメージ」であるとするなら、カードゲームにおいて、魔女と魔法使い・魔術師があまり区別されないことにも説明がつきます。カードゲームではカードのキャラクターひとりひとりのバックボーンが詳しく語られることが少なく、従って「負のイメージ」が語られることも少ないです。だからこそ、魔女と魔法使い・魔術師が区別されにくい、と言えるかもしれません。
確かに、魔法使いや魔術師をモチーフにするという選択肢もある中で、わざわざ「魔女」とカード名に入れるようなカードには、露骨に「負のイメージ」が盛り込まれている傾向にあります。例えば、カード名に「魔法使い」「魔術師」とあるカードは闇以外の属性を持つことも多々ありますが、カード名に「魔女」と書かれたカードのほとんどが闇属性であったり。(*3)

結論として、魔女と魔法使い・魔術師の違いは「負のイメージ」の有無であり、各カードの細かいバックボーンが描かれにくいカードゲームにおいては、それらの区別がされにくい傾向にある、という考えです。

ということで、カードゲームから魔女と魔法使いの違いについて考える試みでした。


*1 《強欲な壺》に代表される、魔法や呪文やスペルなどの呼称が用いられる、使い切りのカード類。

*2 遊戯王であれば魔法カードにアクセスできる《黒魔女 ディアベルスター》や《失落の魔女》、Shadowverseであればスペルのコストを下げる《次元の魔女・ドロシー》や《オズの大魔女》などなど……。

*3 先述した《黒魔女 ディアベルスター》や《失落の魔女》は闇属性。デュエルマスターズでは《ガチャマジョ・チャージャー》や《月夜に巣食う魔女》が闇文明で、例外は調べた限りでは水文明の《電脳決壊の魔女 アリス》のみ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?