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L'appétit vient en mangeant.

某月某日。仏語ラジオ講座の最後には“今日のひとこと”が出てきます。先日の言葉はL'appétit vient en mangeant.で、逐語訳では「食欲は食べながらやって来る」(食欲は食べるにつれて出てくる)なのだとか。

諺としては、「食欲は食べるにつれて出てくる」という文字通りの意味のほかに、比喩的に「ある物を手に入れると他の物も欲しくなる」、「欲望はきりがない」という意味になるのだそうです。

昔のフランス人わかっていらっしゃる!

「欲望にはきりがない」ことを表す言葉がL'appétit vient en mangeant (食欲は食べるにつれて出てくる)だなんて!!とはいえ、戒めとなる程に食に貪欲なお国だったのかしらと思うのです。

というのも、欧州で食のイメージがあるのはイタリアですし、何でも食べるイメージがあるのは中国です。嗚呼、戒めでした。もしかしたら「ああはなるまい」精神なのかもしれません。

イタリアにはルイジ・コルナロ翁がいらしたと思ったのだけれど、彼自身40代半ばまでは暴飲暴食の限りを尽くし、侍医に「このままでは数か月の命」と宣告され人でした。

医師の最後通告に従い、数日食事を減らしみると、なんだか体調が良くなった気がし、やがてそれは確信へと変わったとか。そして1年もしないうちに、病気の巣であったような身体から、きれいさっぱりと病が消え去ったのだそうです。

あ、やっぱり「ああはなるまい」精神でのL'appétit vient en mangeant (食欲は食べるにつれて出てくる)っぽいですね、昔のフランス人。

人の振り見て我が振り直せ

人の振り見て我が振り直せ精神なのか、昔のフランスも同様だったので自戒されたのかはわかりませんが、諺として、フランスでは使われているのだという発見がありました。

言語は文化だと思います。語学習得には至っていませんが、「今日のひとこと」等でこういう考えの人たちの言葉なのだと楽しく聞いています。

結果、フランスではL'appétit vient en mangeant (食欲は食べるにつれて出てくる)=欲望にはきりがないのです。


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