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政治素人がインボイス制度に反対してみた話ー豊島区『請願』『意見陳述』編①

インボイス制度が始まると、アニメーターや声優の3割が廃業する可能性がある。


改めて自己紹介させていただきますが、私は公認会計士でもあり、声優でもあるという、ちょっと特殊な経歴を持っています。

公認会計士の資格も持っていますし、インボイス制度が始まったところで、私自身は作業が面倒になって嫌だな、程度で、即「食えなくなる」ことはないのかもしれません。

問題は、声優をはじめとするアニメ業界への影響です。

私は声優チーム『VOICTION』のメンバーですが、インボイス制度に反対する声優・アニメ・漫画家・演劇業界の『エンタメ4団体』で連携してアンケート調査を行いました。

すると、どの業界でも共通して約3割が「インボイス制度が始まったら廃業を検討している」と回答しました。

そんなおおげさな、と言う人(議員も含む)がいますが、長い下積み期間が必要となる「職人」タイプの業界の人たちにとっては、深刻な影響があるのです。

インボイス制度についての説明は、VOICTIONで制作したアニメ(10分程度)がありますので、こちらをご参照ください。https://youtu.be/MJ3SUxqe4lM


声優の場合は、インボイスの登録をせずに免税事業者のままでいれば、声優事務所から仕事がもらえなくなる可能性があります。


「免税事業者だから取引をしない」と圧力をかけることは、独占禁止法違反になりますので、公正取引委員会に通報するという手段もあります。

しかし、声優事務所は「あなたが免税事業者だからお仕事をあげない」ではなく「たまたま合うお仕事が無い」と言うことでしょう。

そうなったら、法律違反の証拠が何も無いので、声優は公正取引委員会に通報することすらできません。

こういったことが声優、アニメ、漫画、演劇など、日本の誇るべき文化であるはずの業界で起こり得るのです。

「売れる」まで、ただでさえ生活が厳しいのに、インボイス制度で負担が増えるなら耐えられない、廃業するしかない…という人たちが増えれば、当然ながら文化が衰退します。

スポーツで考えれば分かりやすいのですが、競技人口が多いスポーツは海外でも通用する選手がたくさん育ちます。反対に、競技人口が減っていけば、そのスポーツのレベルはどんどん下がっていきます。

インボイス制度は日本の誇るべきアニメや漫画などの文化の衰退を招く。
つまり「クールジャパン」の危機ともいえるのです。

前回もお話しましたが、国会議員にも、何十件と陳情に行きました。
そしてVOICTIONの中でも「地方議員にも陳情に行った方がいいよね」という話に。

アニメの街といえば池袋、豊島区だ!


ということで、インボイス制度に反対している区議さんはいないか、と探してみました。

すると、Twitter上でインボイス制度反対についてツイートされている区議さんを発見。

それが「塚田ひさこ」さんでした。

国会議員への陳情は、とにかくアポを取るのが難しく、連絡を送ってもお返事が来ることはほとんどありません。

しかし塚田さん、TwitterのDMでご連絡したところ、めちゃくちゃ気さくな感じで「是非お話聞かせてください!」とお返事が返ってきました(笑)

良かった!なんだか話しやすそうな人だ!と安心しつつ、VOICTIONのメンバーと一緒に豊島区役所へ。

インボイス制度が始まると、声優やアニメ業界の人たちが廃業するかもしれない、という話を、ひどいね、なんとかしたいね、と親身にお話を聞いてくれる塚田さん。

そしてここで塚田さんから、運命のご提案が。

「これ、実際に議員の前で訴えた方がいいですよ」

なんと、議員ではない一般人(区民じゃなくてもOK)でも、委員会や議会に出席して、意見を述べることができるとのこと。

えっ!?傍聴じゃなくて、意見を議会で直接!?
議員じゃないのに、そんなことできるんですか!?

と、政治素人丸出しな私…(笑)

とにもかくにも、インボイス制度に反対する理由がこれだけ明確にあるのだし、声優やアニメ業界だけではなく、商店街の小さなお店などもたくさん影響を受けるのだから、その素敵なお声で(ありがとうございます)直接訴えた方が良い、とのことでした。

確かに、陳情で一人一人訴えていくより、委員会や議会でまとめて複数の議員にインボイス制度の問題点を伝えられるのは良い機会だな、と思ったので、引き受けることに。

そしてここからが…とてもとても、大変なのであった。
次回、豊島区『請願』『意見陳述』編②へ続く。

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