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ショートストーリー

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ちいさな物語を書いています。 月や星、魔女をモチーフにした作品が多いです。 目標はいつか一冊の本にすること。
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#物語

140字小説「星と双子」

地上を眺める双子の星がありました。 彼らは夜空を見上げる双子の兄弟のお喋りを聴くのが大好…

隊長職変死の椅子 #毎週ショートショートnote

大天使の長・ミカエルは頭を抱えていた。 根も葉もない噂を信じた天使たちが次々と地上に降り…

大増殖天使のキス #毎週ショートショートnote

ある日のことです。 空に大量の天使の梯子が架かり、天使たちが続々と地上に降りてきました。 …

140字小説「虹の粒を探して」

虹の粒を探して彼は十年も旅をしている。 そんなもの見つけて何になる、と人々は嗤う。 だがそ…

140字小説「結晶の街」

ごらん、屋根で瞬く結晶を。 ここでは赤ん坊が生まれると鉱石の種が屋根に宿る。 涙は透明、…

140字小説「雫は歌う」

雨の雫が、笑いながら空から降りてきます。 どうして笑っているの、って? これからみんなで…

140字小説「菫と蝶々」

菫が一輪咲きました。 一番乗りで喜んでいたのに仲間はちっとも咲きません。 僕、間違ったのかな。 冷たい風に花弁を震わせ不安で泣いていると蝶がやってきました。 あぁ助かった。お腹がぺこぺこなの。 菫は喜んで蜜をあげました。 それから二人仲良く春を待ち 仲間が咲くのを見届けて菫は散ってゆきました。 *** 140字小説コンテスト『四月の星々(テーマ文字・花)』参加作品です。

140字小説「不思議な雫」

開いたばかりの花の朝露を瓶に詰めたら 花びらを漬け込んで、ほんのり色を移します。 その雫…

140字小説「ちいさな綿毛」

まもなく旅立つ綿毛の兄弟たち。 みんな、自分が一番遠くまで飛んでいくのだと張り切っていま…

140字小説「秘密の香り」

森の奥の工房で作られる香りは、不思議な力を持つという。 その人のために調合された香りを纏…

140字小説「悲しい痛み」

双子の兄に裏切られ 故郷を追放された少年は 夜毎泣きながら自分を傷つける。 感覚を共有する…

140字小説「ある冬の日に」

寒い 寒い ある冬の日。 北風が 忘れ物のかざぐるまを からからと回して遊んでいたよ。 「…

140字小説「枯れない花を。」

花を手に渡し舟を待つ少女がひとり。 花が枯れる前に母親と会えたら 一緒に極楽へゆけるのだ…

140字小説「天使との約束」

時計塔の鐘が鳴る。 後ろ髪をひかれながら、今日も僕は本を閉じる。 ここは天空の図書館。 神の叡智に触れる場所。 「世界のすべてを知りたい」という僕の祈りは 天使によって叶えられた。 唯一の約束は 「鐘が鳴り終わるまでに本を閉じること」。 破ったら、二度と地上に帰れない。 二度とここにも来られない。