マガジンのカバー画像

ショートストーリー

130
ちいさな物語を書いています。 月や星、魔女をモチーフにした作品が多いです。 目標はいつか一冊の本にすること。
運営しているクリエイター

#スキしてみて

140字小説「光る目玉」

窓辺に微睡む古い機械人形が一体。 人間さながらの仕草で多くの人を驚かせたのは遠い昔のこと…

140字小説「月に手紙」

或る晩、お月様に手紙を書いたんだ。でも届け方が分からなくて、空に向かって読み上げてみたの…

140字小説「お空の天使」

「さあ、お前たち。今日も元気に遊んでおいで。」 神様の一言で天使たちはいっせいに天のお宮…

140字小説「光る言葉」

言葉で傷つけ合う人間を憂い、神は言葉を結晶化した。すると自分の口から零れ落ちた鋭利な結晶…

隊長職変死の椅子 #毎週ショートショートnote

大天使の長・ミカエルは頭を抱えていた。 根も葉もない噂を信じた天使たちが次々と地上に降り…

大増殖天使のキス #毎週ショートショートnote

ある日のことです。 空に大量の天使の梯子が架かり、天使たちが続々と地上に降りてきました。 …

失恋墓地 #毎週ショートショートnote

壊れたオルゴール、びりびりに破られた手紙、色褪せたドライフラワー。 今日もたくさんの物がここに捨てられていく。散々悪態を吐いて投げ捨てる者。静かに涙を流して土に埋める者。それぞれに少しだけすっきりした顔になって帰っていく。 捨てられた物はやがて自身に宿った思い出を語り始める。 話し終えた順にきらきら光る塵となり、風に吹かれて消えてゆく。 「捨てられるってことは忘れられるってことだからね。  失恋でついた心の傷もいずれ小さくなるってことさ。  それに思い出話は亡くなった恋の

140字小説「飛べない天使」

「天使の梯子」と呼ばれる地上にのびる光を翼をもつ天使が使うのは、降りる時に翼を使うと堕天…

140字小説「地上の星」

地上に星の形の植物が多いのは、他の星から来た人々を慰めるため。 彼らは望んでやってきたに…

140字小説「魔女の休日」

森に棲む双子の魔女。 休日は黒づくめの服を脱いでお出かけです。 笑顔で話しかける人々に戸惑…

140字小説「春を蒔く男」

静かに眠る一面の銀世界、男が種を蒔く。やがて種は熱を放ち、雪を解かす。緑が地面に顔を出す…

140字小説「偽りの天使」

どうやらみんなの目には、あいつは清らかな天使に見えているらしい。 でも、僕の目に映るあい…

140字小説・空に降る星

常闇の国に住む僕らの年に一度の楽しみは、 白夜の国の商人から煌めく石を買うこと。 そっと…

140字小説・陸の人魚姫

あの人の煙草を持つ指先とか、煙草を吸う時に寄る眉間の皺とか。どんな瞬間も目に焼き付けたくて。息をするのも忘れて見つめるから、あの人と別れた後はいつも酸欠でくらくらしてる。好きすぎて、切なくて、うまく声も出せなくて。海から上がった人魚姫ってこんな感じだったのかな。なんて思うんだ。 *** 今日のお題「海・酸欠・煙草」 9、121