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【No.17】実は気になる!留学先でとけこめるのか~前編

シニア留学生は孤独?

フィリピンに限らず、留学に来ている人って学生とか、社会人でも若い人ばかりなのでは? シニアには居心地が悪いのでは? と心配する人がいるかもしれない。

確かに、取材で訪れた学校のいくつかには、シニアの生徒さんが、一人ポツンとテーブルに座って食事をしている姿を見ることがあった。

もし、若い人ばっかりに囲まれるのはいや、と思っているなら、学生の春休み、夏休みの時期を避けるのが賢明。とくに、7、8月は夏休みを利用して短期留学をする大学生であふれている。

しかし、大学を休学して半年や1年間留学する人もいるので、常に若い人はいるし、どんな時期でもシニアは圧倒的な少数派だ。

年齢を気にするのは、シニアに限らない。というのも、私が1週間留学をしたとき、同じ日に入学した人(バッチメイトというらしい)からこんなことを言われたから。

「石井さん(私の名前です)みたいな人がいてほっとしました。若い人ばっかりだったら居心地悪いだろうなーって心配だったんです。でも、母くらいの年齢の人もいるんだ、と安心しました」

母くらいの年齢の人とはもちろん私のこと。「え、そんな年に見える?」とちょびっと傷ついたが(笑)、ま、それはさておき、当の彼女はいくつかと聞いたら、まだ30歳。「全然若い人のうちじゃん!私なんかどうなるの!?」と思ったが、こんな若い人でも不安なんだ~、ということで逆に安心した。

私の留学中、企業から派遣されてきた30代の男性(Sさん)と、50代の男性(Kさん)もいたが、若い方のSさんから「石井さんはKさんと同年代くらいでしょう? こういう方がいてくれると、やっぱり安心ですよね」と言われた(“こういう方”って…言い方!!!笑)。

Sさんも自分が最年長ではと不安だったというのだ。要は私が年をとっているからよかったと言われているわけで、ちょっと複雑な気持ちではあったが、男性も年齢は気になるのか~、と発見だった。

一期一会を楽しもう

年齢だけでなく、留学中はみんな何かと不安だ。

友だちできるかな、とか、ちゃんと英語力伸びるのかな、帰国後、仕事みつかるのかな、などなど。

同じ不安を持つ仲間だから、バッチメイト同士はすごく仲良くなる傾向がある。仲良く、といっても中高生時代のように、トイレに行くのも教室移動のときもいっしょ、というのではなくて、食堂で顔を合わせたらいっしょにご飯を食べたり、わからないことを相談し合ったりというくらいのことだが。それでも心強いことに変わりはない。

私は、短い留学期間中に、できるだけ多くの人と話したいから、バッチメイト以外でも、食堂でテーブルが空いていたら「座っていい?」とすかさず割り込んでいた。

一見とっつきにくそうな、今どきのおしゃれな格好をした若い子たちも、「どうぞ~」と気軽に仲間に入れてくれるし、彼ら彼女らがどうして留学しようと思ったのか、これから何をしたいのか聞くのは面白い。

ついでに今なにが流行っているの?とか聞くとこちらも勉強になる。とくに若い子たちが、YouTubeや便利なアプリを使って自室でも気軽に勉強していることを知り、ほとほと感心してしまった。未だにひたすら紙に書いてカリカリ勉強している私とは全然違う。

とにかく、「もう年だし」「若い子の中に入っていったら疎まれるよね」とか思わないことだ。

留学中に会う人って、ほとんどがもう二度と会うことのない人だ。まさに一期一会。このご縁を大事にしたい。

若い人たちから学ぶことはたくさんあるし、こちらも、疎まれるばかりではなく、若い人たちに分け与えられるものはあるかもしれない。日ごろ無口な人でも、留学期間だけは「社交スイッチ」(そんなものがあるならば)を入れて、どんどん話しかけるといい。(つづく)

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